河出文庫<br> 歩道橋の魔術師

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河出文庫
歩道橋の魔術師

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309467429
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0197

出版社内容情報

1979年、台北。中華商場の魔術師に魅せられた子どもたち。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語。

内容説明

懐かしい記憶には魔法がかかっている。一九八〇年前後の台北・中華商場を舞台に、少年少女が繰り広げる不思議な物語。踊りだす黒い小人、女子トイレの九十九階のエレベーターボタン、死にゆく小鳥に起きた出来事、若者たちの恋…。ジャンプブーツを履いた魔術師が生みだすさまざまな奇跡。単行本未収録短編を収録。

著者等紹介

呉明益[ウーミンイー]
1971年、台北生まれ。現代台湾を代表する作家・エッセイスト。国立東華大学教授。97年『本日公休』でデビュー。幅広いジャンルで創作を続ける

天野健太郎[アマノケンタロウ]
1971年生まれ。翻訳家・俳人。台湾文学・文化を積極的に紹介。2018年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

99
ネットで見つけた写真で、カバー絵に描かれたこの巨大商業施設が実在したことを確認。ここなら魔術師もいただろう。かつて台北にあった中華商場。店舗と住居が一体となった奇跡のような空間で少年少女時代を過ごした人々が語る遠い記憶は、失われた故郷への苦みを帯びた憧憬に溢れ、どこか夢のようだけど、大人になった彼らの内に確かに凝っている。濃密なコミュニティでの充足感と息苦しさ。日常としてやり過ごされる多くの死と別れ。私が育った町も中華商場と同様、時代の波に飲まれて消えた。思い出してしまった。帰るべき故郷はもうないことを。2024/11/30

はっせー

83
不思議な世界観を味わいたい人やアジア文学に興味がある人におすすめの本になっている!今年何故かハマっているアジア文学。その中でも面白さと没入感が心地よがかった!台湾の市場に住んでいた人の過去の回想録。どれもが短編になっているため独立はしている。でも共通点がある。それは歩道橋にいた魔術師である。普段はマジック道具を売ったりしているが、子どもたちに稀に見せるマジックはほぼ魔術の類である。文学とは一種の魔術であり私達読者がその魔術にかけられてどこか遠くの世界に行ける。そんな感覚を味わえる作品になっている!2023/03/29

カフカ

70
1980年前後の台北・中華商場に住む子供たちを主人公に描いた、幻想的でノスタルジックな連作短篇集。ほぼ全ての短篇に“歩道橋の魔術師”なる、歩道橋の上で商売をする魔術師が出てくる。ただの手品師のような風貌なのだが、時折本物の魔術のようなものを用いる謎に包まれた人物。彼を物語に織り交ぜて、少年少女たちに不思議な体験が起こる。そこには、魔術によって生き返る命も、生き返らない命もある。幻想の中にあっても、生きるということは残酷なことだ。薄靄に包まれたような哀愁を心に残す物語だった。2023/04/14

Sam

56
かつて台北に実在した「中華商場」。3階建ての建物8棟が1キロに渡って連なるという巨大な商場(兼住居)であったらしい(表紙カバーを見るとよく分かる)。本作はかつてそこで子ども時代を過ごした人々が織りなす連作短編集。ノスタルジックな語り口ではあるが、それぞれが直面する死や喪失感が巧みに描かれ物語に深みを与えている。そして毎話登場する「歩道橋の魔術師」は、エピグラフのガルシア・マルケスのように作品に「マジック・リアリズム」の魔法をかけている!(ちょっと大袈裟だけど)2021/11/21

新田新一

55
『歩道橋の魔術師』は台湾の中華商場を舞台にした連作短編です。中華商場は現在で言うショッピングモールような場所で、雑多な商店が店を連ねていた場所でした。各話に魔術師と呼ばれる男が登場し、子供たちに不思議な世界を見せてくれます。1話では、黒い紙の男が生き物のように動き出します。この世と地続きになった幻想世界の描写が魅力的で、ぐっと引き込まれました。精巧な中華商場の模型が出てくる話(「光は流れる水のように」)が忘れ難いです。大人になった主人公は、模型を見て子供の頃のことを思い出します。彼の郷愁に共感しました。2026/05/04

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