出版社内容情報
デカルト、スピノザ、ライプニッツ、そしてカント…ect. 近代の哲学者たちはいかに世界と格闘したのか。ついに完結。
G・W・F・ヘーゲル[ヘーゲル,G W F]
1770?1831年。ドイツの哲学者。フィヒテ、シェリングと並びドイツ観念論を代表する。著書に、『精神現象学』『歴史哲学講義』『法哲学講義』『美学講義』他。
長谷川 宏[ハセガワ ヒロシ]
1940年生まれ。東京大学卒業。著書「ヘーゲルの歴史意識」「格闘する理性」他。訳書フッサール「経験と判断」ハーバーマス「イデオロギーとしての科学と技術」他。
内容説明
デカルトにはじまる近代哲学は、思考する知性の時代をもたらした。スピノザ、ロック、ライプニッツら形而上学の時代から懐疑主義の時代へ、そしてカント、フィヒテ、シェリングらまで、批判とユーモアを交えダイナミックに描き出す近代哲学のドラマ。ヘーゲル版哲学史、ついに完結。
目次
第3部 近代の哲学(ベーコンとベーメ;思考する知性の時代;最新のドイツ哲学)
著者等紹介
ヘーゲル,G.W.F.[ヘーゲル,G.W.F.] [Hegel,Georg Wilhelm Friedrich]
1770‐1831年。ドイツ観念論を代表し、哲学、政治をはじめ、あらゆる分野で後世に絶大な影響を与えた
長谷川宏[ハセガワヒロシ]
1940年、島根県生まれ。哲学者。学習塾を開くかたわら、原書でヘーゲルを読む会を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かわうそ
47
スピノザの哲学は一言でいえば普遍から個に向かっていくものです。 要するに、神のみが実体であり、その唯一の実体である神の下に思考と延長という形式があるに過ぎないとするわけです。 『個別のものが一つの実体のうちに消えていく』128 しかし、ヘーゲルも指摘している通り、スピノザの欠点は個から普遍に向かえない点にあります。それに対して、その欠点を埋めて個から普遍へ、言わば個の哲学を生み出したのがロックとライプニッツでありヘーゲルは両者を一つのつながりとしてみているわけでして、これは非常に面白い視点だと思います。 2023/02/25
ころこ
46
訳者あとがきに苦労話が書いてあって、講義をしているヘーゲルの間違い、読んでいて速記者の間違い、本をつくるときの間違いなのか当時と現時点(訳した33年前)の認識や学説の違いなのか、聞いたことがあるだけのイスラム学者の異同など、そのまま間違いを訳すべきか直すのか判断に迷う様子が書かれていて、大変な仕事だったことが分かる。それを支えたのが1981年に『精神現象学』の原書講読「ヘーゲルを読む会」が『哲学史講義』を引き続いて85年から取り組んでいて8年間、『Ⅲ』の途中でこの文章が書かれているとある。調べると、本書は2026/01/09
かわうそ
46
定期的に読み返したくなります。 ヘーゲルが現代に生きてたら…この講義の続きを聴いてみたいですね。『ロックは、たとえば、延長と運動を根本性質として特別視し、それらは対象自体に属する性質だとしました。バークリーは、大きいと小さい、速いと遅いが相対的なものだという視点から、ロックの考えの不合理性を見事にいいあてています。延長や運動がそれ自体で存在するものだとすれば、それらは大きいか小さいか、速いか遅いかといったことはまったくありえない。が、実際は、延長や運動の概念にはそうしたちがいがふくまれる、と。』P2602023/03/27
かわうそ
39
『かれはおおもとにさかのぼって、思考そのものから出発する。これは絶対的なはじまりです。思考からしかはじめてはならないことを、かれは、一切を疑わなければならないと、表現します。』 さすが当時、大人気だったヘーゲル教授なだけあります。分かりやすい言い換えにはっとさせられます。ここまでギュッとデカルトの思想を端的に示せるのはすごい。 哲学書を読んでいて分からない点があったら定期的にこの本に帰ってこようと思います。2023/07/29
またの名
8
ついに近代。他の何物も前提にせず思考から出発するデカルトに思考の自由への希求を読み取り、哲学をやる人はまずスピノザ主義にならなければダメと断言し、二律背反の原因を物自体から主観に移したカントに矛盾してるため内部に動揺と狂気を抱えた精神を見る。称賛に留めず限界も忌憚なく述べる語りは独自の理論と化し、知的直観を重視する思想が恵まれた天才にしか許さない哲学を誰にでも開かれた営みに取り返す。思考の力が遍く浸透した世界で勘や感情や熟練が活きる余地は消え、合理的システムが支配し発展する先は20世紀のモダンな大量殺戮。2017/09/14




