出版社内容情報
バタイユが主宰した異様な雑誌「ドキュマン」掲載テクストを集成、バタイユの可能性を凝縮した書を気鋭が40年ぶりに新訳。
【著者紹介】
フランス文学専攻。著書『ジョルジュ・バタイユの《不定形》の美学』(水声社)。訳書にディディ=ユベルマン著『イメージの前に』(法政大学出版局刊)他。
内容説明
初期バタイユが主宰した横断的雑誌『ドキュマン』。そこに彼が執筆した文章を集成し、四十年ぶりに気鋭が新訳。その後のバタイユの萌芽をしめすとともに、亀裂と不定形の思想家という新たなバタイユ像を開示する。多形な異物が渦巻く溶鉱炉から未生の思想が炸裂し生成する―世紀を超えた名著が復活。
目次
『ドキュマン』第一年度(一九二九年度)(アカデミックな馬;サン=スヴェールの黙示録;建築 ほか)
『ドキュマン』第二年度(一九三〇年度)(低次唯物論とグノーシス;空間;自然の逸脱 ほか)
補遺『ドキュマン』未掲載原稿(サドとともに吠えるダリ;サル・プレイエルにおけるフロベニウス展覧会;インドのギリシア風芸術作品 ほか)
著者等紹介
バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ] [Bataille,Georges]
1897‐1962。思想家・作家・批評家。特異な思想はその後の思想・文学に大きな影響を与える
江澤健一郎[エザワケンイチロウ]
1967年生。フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nightU。U*)。o○O
4
バタイユ的な衝撃の発想が全編にはっきりあらわれているが、それでも同時代の流行や既成概念への反骨、あてこすりや落胆から書かれた部分もけっこうあると思う。特にブルトンとはもはやトムとジェリー。「人間の形象」「プリミティヴ・アート」「供犠的身体毀損と~」「サドとともに吠えるダリ」あたりは重要だと思った。2016/08/08
Ex libris 毒餃子
3
足の親指 という章を読んでショックを受けました。一章一章が短いのである意味、入門編かもしれません。2015/04/24
寛理
1
授業のために図書館で借りてざっと読んだ。2020/07/10
工藤 杳
1
俺のフランスの同僚です。「あらゆる公共建築物と制服が発する「気をつけ」は、…」(279)あたりが非常にグッとくる一文。2017/04/05
hobby no book
1
すこし特殊な芸術・美術の「雑録」といった内容で、取り上げられている項目それぞれは短い文章が多いので、やや難解ではあるけれど気軽に読むことができた。雑誌からの抜粋ではあるけれど、各号からバタイユの書いた部分だけをとっているので、雑誌の特集的な体系はなくて、そういう意味では漠然としたような感覚もあった。2015/09/21