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河出文庫
感情教育〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 375p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309463254
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

カフカ、ナボコフ、クンデラなど、20世紀以降の作家にも大きな影響を与えた不滅の名作を、最高の名訳で。

内容説明

美しき人妻アルヌー夫人、高級娼婦ロザネット、社交界の名花ダンブルーズ夫人、田舎で彼を待つ可憐なルイーズ。四人の女性に愛されながら、夢のような恋を求めてパリ暮らしを続ける青年フレデリックが、純真さとひきかえに少しずつ成長していく…。『ボヴァリー夫人』とともに名訳で贈る小説の最高峰。

著者等紹介

フローベール,ギュスターヴ[フローベール,ギュスターヴ][Flaubert,Gustave]
1821年ルーアン生まれ。19世紀を代表するフランスの小説家。「自分の文体の力によってのみ成り立つ」小説を目指した『ボヴァリー夫人』は、現代小説のさきがけとして高い評価を得ている。1880年没

山田〓[ヤマダジャク]
1920年東京生まれ。東京大学名誉教授。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

83
俗な感じが凄く出ているような気がします。フレデリックの恋は一途な想いかと思えば、ここにきて軸がぶれてきました。4人の女性に愛され、それぞれに自分のいい面を見せようとする感情があからさまに見えて仕方ありません。最初はプラトニックだった恋も姦通へと通じ、感情だけで物語は語られなくなっていく。しかし、冷酷さ故の甘美さを感じずにはいられませんでした。純真とひきかえに成長していく様子がまさに「感情教育」と言えますね。2016/01/25

かんやん

29
主人公が知恵をつけて小狡く立ち回るようになると、上巻とは違った意味でヒヤヒヤする。「オレもワルよのお」って、その小狡さが、凡俗の徒以外の何者でもない。それにしても、二月革命を舞台にしながらも、道端に積み重なった死体も含めて、「千篇一律の世」という言葉が浮かぶのは、なぜか。革命→反動という流れだけでなく、あらゆる人物の振る舞いや対立、変節までが、変わらぬ、というか繰り返す人間の愚かさを証しているようだ。結末へと畳み掛ける後半は圧倒的だが、その手前、フォンテーヌブローの自然描写のみが歴史から浮遊している。2019/09/22

しんすけ

11
『感情教育』は後半になると躍動感を増す。 これは山田ジャクの翻訳でも例外ではないようだ。太田浩一訳ではかなり前半から躍動があったような気がするのだが、これは記憶違いかもしれないので断定は差し控える。 躍動感は読者に下記のような妄想を生ぜせしめる。 アルヌー夫人とフレデリックは偶然が重ならなければ不倫を体験したのかもしれない。 親密になった二人は次の火曜日に合うことを約束した。 その火曜日とは1848年2月22日だったのだ。2019/05/14

ネムル

11
実のところ『ボヴァリー夫人』ほど夢中になれなかったのは、フレデリックと友人たちとのディスカッション部分にのめり込めなかったのが大きい。単なる予備知識の欠如かもしれない。ただし、フレデリックがアルヌー夫人の名前を呼びかける、大長編のなかでの唯一のシーン、60ページあたりから第二部の終わりまで、ここは本当に素晴らしい。小説に後光がさしている。アルヌー婦人が登場するといつも描写が艶やかに美しくなるが、ここは特に素晴らしく、あまりの楽しさにスキップするように読んでしまった。2015/08/24

Hepatica nobilis

11
再読。移り気なフレデリックの心と同調したようなぶっきらぼうな文章、自由間接話法、場面転換の急激さ、時折はさまれる描写の正鵠さ、人物たちもその俗さ加減が上手に書かれているしプルーストが批判した比喩も逆にうまく嵌っている。それに以前はさほど感心しなかった再会と生涯を述懐する場面。冷酷さゆえの甘美さとでもいうのか、うっとりする。またすぐに読み返したいぐらい。2013/09/27

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