内容説明
神話的な輝きを放つ、“アメリカ文学史上最高の短篇作家”シオドア・スタージョン。その魔術的ともキャビアの味とも評される名短篇をここに集成。どこにでもいる平凡な人間に、不思議のひと触れが加わると?―表題作をはじめ、デビュー作他、全十篇。
著者等紹介
スタージョン,シオドア[スタージョン,シオドア][Sturgeon,Theodore]
1918年、ニューヨーク生まれ。『人間以上』で国際幻想文学賞受賞。85年没。世界幻想文学大賞生涯功労賞が贈られる
大森望[オオモリノゾミ]
1961年生まれ。京都大学文学部アメリカ文学科卒。翻訳家、書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miroku
25
私の心に不思議のひと触れ。まさにスタージョン作品の印象そのもののタイトルだ。2014/05/03
bowmorelover
15
シオドア・スタージョン2冊目。最初に読んだのが「人間以上」からだったので読みやすかった。ひとつな短編を読み終えるたびにしばらく余韻を味わっていたい、そんな短編集でした。これが「キャビアの味」か!2011/12/15
sei
14
日常と不思議が触れ合う、SFの古典たる短編集。孤独な視点から優しさとユーモアを捉えており、寂しさと安心を同時に感じるような、水に深く潜ったような幻想的な感覚になる。偶然なのだろうけど、スタージョンはチョウザメの英名。原始的な姿のまま、ひっそりと現代まで生きてきたチョウザメは、この小説の雰囲気にぴったりだと思う。2024/05/25
moco
14
SFはもちろんのこと、ミステリ、ホラー、ファンタジーそしてジャズ小説と、スタージョンの幅広い魅力が詰め込まれたまさに珠玉の短篇集である。なんということはない日常を、ほんのひと触れでたちまち不思議な物語に変えてしまう作家の天才的な筆力にただただ驚き、感動させられた。些細な描写がとてつもない輝きを放ち、ひとつひとつの言葉が色を持つように鮮やかで心を奪われてしまう。とにかくすべてが巧い。「裏庭の神様」、「タンディの物語」、「雷と薔薇」が特に印象に残った。2011/09/14
けいちゃっぷ
13
ほとんどの作品は最初はちょっととっつきにくい感じですが、それを過ぎてしまえばあとは物語にのめり込むのは必至ですね。次の作品を読み始めると、前の作品の残像が頭に残ってていけない。こんなことは他の短編集ではほとんどなかったな。420ページ2009/10/04