内容説明
革命の火はますます燃え盛り、市民達はバスチーユ牢獄を解放した。それはマリー・アントワネットの没落の始まりでもあった。ただダンスをし、おしゃべりをし、恋をし、笑い、お化粧したかっただけ―ただの女性でありたかった王妃がついに断頭台の露と消える。歴史の残酷さを確かな筆致で描いた、伝記文学の巨匠、ツヴァイクの最高傑作。
著者等紹介
ツヴァイク,シュテファン[ツヴァイク,シュテファン][Zweig,Stefan]
1881‐1942年。ウィーン生まれ。ウィーン大学卒業。在学中から文学活動をはじめ、詩・小説・伝記・戯曲・評論・翻訳と文学の全ジャンルに業績をあらわす。ナチスの手を逃れ亡命、フランス・アメリカ等を転々。ブラジルで自ら命を断つ
関楠生[セキクスオ]
1924年、静岡県生まれ。東大独文科卒業。東大、獨協大教授を経て、東大名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mach55
2
翻訳された時代がかなり前のため、読みにくい文章で文体に慣れるまで少し辛かった。中野京子さんの翻訳で読むべきだった・・とは言え、パリに今の残る地名や場所に思いを馳せながら、充分にフランスの一時代を垣間見た満足感と、その余韻に浸れる。2012/11/08
ひろし
1
世論の波に飲まれてあれよあれよという間にギロチンにたどり着く下巻。重い読後感。フェイクニュースに抗うことができないのが読んでいて辛い。確かにロココの春を謳歌していたツケが回ってきたとも言えるのかもしれないけど、これを因果応報というのは余りにも…。これが民主主義の強さであり欠陥でもある。情報の機動性が桁違いに高まっている今、ペンが剣より強いことについて改めて考えさせられる。フェイクニュースが話題になってる今、読んでよかったと思う一冊。2018/01/20
uburoi
0
革命から処刑までを一気に転げ落ちる感のある下巻。王と王妃がギロチンに処されたことは知っていたが、時間差があったことをここで知った。先に王が1793年1月21日に王妃の命は同年10月16日まで引き伸ばされる。徐々に環境は劣悪となって、カーネーション事件など逃亡計画が暴露したことあって監視も厳しくなる。ところが不思議とどこでも番人たちの同情を集めるのは人柄というものだ。公判から処刑までは数日しかないが、この間、彼女は出血し続けていたとツヴァイクは書いている。最後まで、女として死んでいったというわけである。2016/04/24
銀曜日
0
読み応えあり。個人的なベストオブベストです!
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