河出文庫<br> メグレと老婦人の謎

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河出文庫
メグレと老婦人の謎

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309462127
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

メジスリー河岸に住む一人暮しの老婦人が殺された。死因は窒息死。死の直前まで、自分の留守中に誰かが忍びこんで家探ししている、と警視庁に訴えていた。では侵入の目的は?単なる物盗りでないことは状況から明らかだ。本人の知らない宝物でもあったのか?メグレは引出しを調べていて拳銃用のグリスらしいしみを発見する。消えた拳銃…メグレが動く。

著者等紹介

シムノン,ジョルジュ[シムノン,ジョルジュ][Simenon,Georges]
フランス最大の推理小説作家。1903年ベルギー生まれ、1989年没。1922年以降フランスで作家活動をつづける。多作家として知られ、四百冊以上の小説を書き、約四千万冊が売れたといわれる

長島良三[ナガシマリョウゾウ]
1936年東京生まれ。明治大学卒業(仏文学)。早川書房編集部を経て、現在フランス文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

17
1970年著者最晩期の佳作。パリ警視庁に86歳の小さな老婆が訪れる。メグレの名声に縋ろうと来たのだが、彼は部下のラポワントに応対を命ずる。老女は自分が不在時にアパルトマンの家具が移動している恐怖を語る。ラポワントは恐らくは老耄の果てと上司に報告、メグレもそれを受け入れるが、この事を夫人に話す等するうち次第に気になる。暫くして老婆が自宅で殺されたとの報があり、慚愧に駆られたメグレは捜査に乗り出す。実行犯になり得たのは数少ない周囲の人間で、以降の捜査もその線で進むのだが、いつもの通り人間生活の機微を穿つ作品。2023/10/16

ごへいもち

13
サラサラ読めた。以前は苦手なシリーズだったのに。訳者のせいか、こちらの読力のせいか2024/03/01

マーブル

10
市民に絶大な信頼を与える立場のメグレだが、助けを求めるすべての声に応える訳にはいかない。そうは言えても、自分の判断ミスは自分が一番よく知っている。メグレは名探偵ではない。気の効いたことを言う訳でもない。そこにある魅力は何だろう。夫人との会話は、鬼平にも似ていると感じるが、鬼平が自分の裁量で人情を示すことができるのに対し、あくまでも法の番人であるメグレには、度量はあっても超えられぬものがあり、そこがまた魅力でも。スーパーマン的名探偵でもなく、法や組織の限界に縛られながら人間的に正義を尽くそうとする姿の魅力。2022/04/20

そのじつ

7
はじめてメグレ警部ものを読む。面白かった…思わず抜き書きしてしまうような文学的箇所もあった。謎解きやトリックが主軸のものとは違って、メグレ警部(この本では警視)はひたすら地道な捜査を繰り返す。そのあいだに奥さんとご飯を食べながら語らったり、散歩したりもする。夜は自宅のベッドで寝て、朝は警視庁に出勤する公務員ぽさ。小さく上品な老婦人に英雄のように見つめられ、その残像に苦しむメグレがいい。日陰丈吉がメグレ警部ものを数本訳しているので古書が手に入る前に読み比べようと丈吉訳以外のものを読んだが、2023/07/12

茶坊主

1
お正月休みの息抜きに 実は初メグレ シリーズも後半の作品だけど 登場人物含め、物語全体に漂う雰囲気は好き。 結末は・・・ふーーん、それでいいのか・・2022/01/06

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