感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
47
マックス・エルンストさんのロマン・コラージュ。ロマン・コラージュとは文字のない小説の事。文字がなければ普通に絵画。そーなんです、物語は見手が想像するんです。今回は慈善週間ということで曜日毎にテーマがあります。日:泥 ベルフォールのライオン、月:水、火:ドラゴン、水:血 雄鶏、あれれ?木金土は合体版?イースター島とか鍵?まぁ全部で182編の掌編で構成されています。その表現はシュールでエロティック、夢ですね夢。いいです。魅せられますが、個人的にはどこかコミカルを感じました。2024/11/26
スプーン
34
残虐で不気味、暗く不安で意味不明。何も起こっていないのだが、逆に言えば何もかもが起こっている(!)。人間は墜ちる分だけ、天に昇れる。2020/11/23
Roy
16
★★★★★ 三部作ということでとうとうこの本が最後になってしまった。今回は文が最低限しかなくほとんど絵だけで構成されていて、絵解きとかって全く出来ないし分からないのだけれど、滑稽で淫乱で字は無くとも詩的で一番好き。表紙の海老反り女も「どうした!?」って思うけれど、一枚一枚頁をめくる毎に「ねえ、どうしたのさ」って問いかけたくなる程、奇妙に訴えてくる何かがある。さすが慈善週間、救われました。何が?ふふふ。2009/04/26
Kei Ogiso
9
久しぶりに感想を書くのがこの本というのが、ひねくれている自分に乾杯(何が)。知らない人が見たらびっくりするこの本は、シュルレアリスムの画家マックス・エルンストの銅板画のコラージュがズラズラ並んでいる本。7大元素というテーマはあるものの、ストーリーは皆無。発想のおもむくままに不可思議に、奇妙に、蠱惑的な画は、お好きな想像をしてくださいという感じ。この本を読んだ夜にさっそく、暗闇に中の佇む怪しい建物の前で、人とも分からないような何かに追われる変な夢を見て、目が覚めて笑ってしまった。変な夢をみたい人にオススメ。2020/03/02
北風
7
タロットカードみたい。あるいは、占いができる本の類いか? 思い浮かべてページを手繰り、開いたページに意味を見いだそう。海に浮かぶ眠る女は、漂流の暗示、ブドウ頭の女と鳥頭の紳士は亭主関白、しかし最後の犬頭の男と腕を組む女の絵は、困難の後に拓けた安寧を暗示させる。2016/12/03