内容説明
ロンドン郊外の田舎町に暮らすベネット家には年頃の五人姉妹がいた。ある日の舞踏会で長女ジェインは近所に越して来た青年ビングリーと互いに惹かれ合う。一方、次女エリザベスは、資産家の美男ダーシーに出会う。彼の態度は高慢だったがそう見えたのはエリザベスの偏見にすぎぬのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
56
発行1813年。200年以上前の小説がこんなに面白いとは!地主として仕事をしないで生活する方が商工業で財を成すより尊敬され、女性には財産を相続する権利も結婚する相手を選ぶ権利もない。18-19世紀イギリス中産階級の男女の恋愛、結婚観、より良い条件の結婚相手を手に入れるための駆け引き等々。本を置く間も惜しんで読んで振り替えるとこれって今にも通じると思ったり。最後、べネット氏のコリンズ氏宛の手紙がおかしい。訳者の後書きと共に載っている水村美苗氏の巻末エッセイが秀逸。◆ガーディアン選書1000◆2021/05/16
kaoriction@本読み&感想 復活の途上
23
約一年前に新潮文庫版、中野好夫訳で読んでいる。高校生で出会って、一体何十年(⁉︎)そして何十回と読み返していることか。何度読んでも色褪せない。飽きることがない。今回は後半のダーシーのプロポーズから玉砕、再会、リディアの結婚を経ての誤解を解き、エリザベスが自分の思いに気づく後半に重点を絞って読んだ。昨夜、キーラ・ナイトレイの『プライドと偏見』を観てしまったから。こちらも何十回め?という視聴。観て読んで。またしばらくしたら読んで。おそらく、私のオースティン『高慢と偏見』『自負と偏見』祭りは生涯続くだろうな。2018/12/25
こばまり
15
12月16日はジェーン・オースティンの誕生日。◾海外作家の誕生日を祝うコミュ二ティでは今週、彼女の作品を読む企画を行っています。この機会に初めて手にしてみて、人々がなんと生き生きしていることか!基本的に全員があーだこーだとしゃべりまくりなのですが、このあーだこーだが楽しくて。時を経てもしっかり女性の読者を胸キュンにしてくれるところもすごい。あっと言う間にのめり込んでむさぼり読んでしまいました。今も多くのファンを有するのもうなづけます。長編は6作しか遺していないので次は何を読もうかとわくわくしています。2013/12/11
Noelle
9
中野康司氏訳出のを読んで、とても読みやすかったので、こちらも比較しつつ読んで見た。40歳ほど年の離れたお二人の翻訳はそれぞれの時代も時代感覚もうかがわれて、読み比べてそれぞれ良いものでした。阿部訳は、一昔前の奥様、お嬢様の言葉遣いで、オースティンの世界にあっています。楽しいですね、いろんな翻訳で読めるのも。原文も、頑張って読みたいですね。2020/05/16
おっくん
6
貴族が社会の頂点にあった18世紀、その中でも名門の若き当主ダーシーが友人宅に招かれたパーティで郊外の田園都市の中流地主の娘エリザベスと出会う。女性が職業を持つ事はなく、結婚相手次第でほぼ一生の生活が決まる時代。ダーシーは候補を選び放題だった筈が、その高慢さ故にエリザベスに拒否される。そのエリザベスにもあったのは偏見だけだったのか?その他の登場人物は?もしかしたらこれはハーレクインの原型か?2014/07/04