感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
6
「シャベール大佐」「アデユー」の2短編集。どちらもバルザックらしい躍動感のある文章切れのよいストーリーであった。物語がいかにもありそうな、しかしあり得ないような小説的設定である。2019/05/06
zoe
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バルザックの書く女性はいつも少し酷い。シャベール大佐の元婦人、フェロー伯爵婦人も、とても利己的な女として書かれている。尤も、当時の女なんてこんなものなのかもしれないけれど。シャベール大佐の「衣装よりも感情の中に豪華さがある方がいいのです」という台詞は、現代人にとって耳にいたい言葉。 そして何度か映画化されているそうだけれど、これは舞台で見てみたいなぁ。しかもお堅い感じのやつで。2016/09/28
takeakisky
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表題作とアデュー、中篇二篇。どちらも題材はナポレオンのロシア戦役。孤児から叩き上げたシャベール大佐ともう一方は生まれの良さそうな士官フィリップ。どちらも不器用な男による極限的な愛の話。代訴人デルヴィル、ルイ・ヴェルニオ、アデューの擲弾兵とおじファンジャ氏など印象に残る魅力的な人物もストーリーをしっかり支え、いい。シャベール大佐の墓穴からの帰還、代訴人事務所の描写、アデューの戦場の描写には痺れる。決して長くない二篇だが、濃密で読後心地よい疲労をおぼえる。2023/04/18
Satoru Kobayashi
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バルザック11冊目。 「なあに、こんな境遇じゃ生きていたって別に惜しいほど幸せってわけじゃなかったさ」2018/03/24