内容説明
古代エジプト、メソポタミアから現代の精神分析学にいたるまで、夢に関するおびただしい書物が書き著されてきた。これら古代、中近東、中世の珍しい『夢の書』を広く収集し、現代の夢解釈と比較考証した結果、不思議な事実があきらかになった。本書はその成果を伝えるとともに、人類四千年の夢解釈の歴史を俯瞰し、夢の象徴表現を比較・分類する。
目次
第1部 夢解釈の歴史
第2部 夢の象徴表現
第3部 頻度の高い夢とその解釈
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鏡裕之
1
カラス(鴉)についての記述で、ノアの方舟のくだりに間違いがある。カラスを放ったが帰って来なかったとあるが、旧約聖書では「帰って来なかった」とは記されていない。誤認である。ただ、最後の「便覧」では、古代から中世、現代に至るまでどのように夢解釈されていたのかを知ることができて、非常に有益。2021/10/12
やいとや
0
フロイト『夢判断』へ至るジャンプボードとして読む。夢を解釈する、という欲望は四千年前から変っておらず、そしてその解釈のスタイルは実は現代の精神分析にもストレートに繋がるのだ、というのが端的に知れて面白い。2016/02/27