内容説明
ジョージ・マーティンとブライアン・エプスタインがいなかったら、ビートルズは生まれていなかったろう。同じように、ビートルズとの出会いがなかったら、プロデューサーの神様の伝説もなかった。音楽プロデューサーの役割に大きな影響を与え、数々の名曲と名アルバムを世に送った男の人生と、創造の秘密と、知られざるビートルズとのエピソードを自ら語る。
目次
第1章 クラシカル・プリマー―音楽入門
第2章 パラーツ&パレッツ―音の色彩
第3章 アビイ・ロード―EMIレコード
第4章 耳こそはすべて―音の講座
第5章 コミック・カッツ―失敗談のかずかず
第6章 3人寄れば文殊の知恵―モノラルからステレオへ
第7章 ハード・デイズ&ナイト―ビートルズとのレコーディング
第8章 ケーキを重ねて焼くように―マルチ・トラック講座
第9章 アメリカ陥落―世界に躍り出たビートルズ
第10章 アップル・パイの分け前―プロデューサーの経済状態
第11章 ペパー軍曹の進撃
第12章 ライト・イン・ザ・ピクチャー―サウンド・トラック講座
第13章 レコード作りのエンジェルたち
第14章 空気の上に建てる―AIRスタジオ講座
第15章 明日のことはわからない―レコードの未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナポリノロク
3
やっと読み終わった。面白かったが感想が書ききれないので、とりあえず登録だけ先にしておく。2022/11/05
fritzng4
3
60年代のあの多忙な時期に、シラ・ブラックを筆頭に他のミュージシャンのプロデュースもし、EMIを辞めて自分の会社を設立し、再婚までしていたというのは驚きだ。きちんと経営陣と金の交渉をして音楽プロデューサーの立場を確立したことを改めて賞賛したい。自身の生い立ちやピーター・セラーズらとのエピソード、そして時にとても高度な音楽理論についても触れられていて濃密な一冊だが、勿論一番の読みどころはビートルズ関連の記述。ハード・デイズ・ナイトのときにリチャード・レスターと音楽のことで一悶着あったという話は初耳だった。2022/05/05
bittersweet symphony
0
オリジナルは1979年(日本語版にはクレジットがないですがジェレミー・ホーンスビーなるライターとの共著)、ジョージ・マーティン(1926-2016)が53歳のころの回顧録。うちの未読本棚の最古参グループの一冊ですが、これまで読むタイミングがありませんでした。録音を軸にした、クラシックからジャズ、コメディ、ロックまでの歴史的・技術的薀蓄が色々語られているのが楽しいところで、業界の音響性の難聴がタイムラグを置いて発生することに注意を促していたりもしています。2016/03/18
ishida
0
思ったほどビートルズに依存いていなくて良かった2023/12/24
tomo6980
0
ビートルズ関連のエピソードが面白いのは今さらなのだが「ミスター・カイト」の効果音とか「ストロベリー・フィールズ」の合成とか、音作りのエピソードが満載で、やはり面白い。もちろんクスリ関係も。まあ、1980年に出版された本なので「サージェント・ペパーズ」を頂点とするロック史観なので、今ならふれられる「ペット・サウンズ」には一切言及無し。ま、そうだよね。しかし、これだけの仕事をしたなら一生、左うちわで暮らさせるべきだな。EMIさん。読みながらのBGMは訳注で忘れられたジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」。2018/09/01