内容説明
あのウディ・アレンの究極の目的は作家になること?八面六臂の才人「これでおあいこ」先輩作家への借りは返したと、自負をこめておくる処女短編集。娘から神をさがしてくれと依頼された探偵の物語「ミスター・ビッグ」、天才メッタリングの生涯をクリーニング・リストより読み解く「メッタリング・リスト」…。パロディ、パステーシュ等趣向を凝らした17編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
明石です
8
大好きなウディアレンの短編小説集。彼の監督作をあらかた見尽くしたあとで手を伸ばした。一晩でさらりと読めてしまい、そして二週間分くらい笑える、高級なユーモアセンスが光る一作でした。いわゆる「インテリ」が好む芸術や哲学、政治といったテーマを取り上げ、ユーモアをまじえて馬鹿にしていく感じはまさに真骨頂。この人自身が図抜けたインテリだから説得力は絶大笑。また映画では台詞の掛け合いを妙としながらも、本作では台詞に頼らずきっちり文章で勝負してるのがなお凄い。先人作家たちに対する「これでおあいこ」は伊達じゃないですね。2022/03/12
きゅー
7
ウディ・アレンによるパロディやパスティーシュ集。サンドイッチ伯爵の(大法螺の)伝記や、ドストエフスキーの『地下室の手記』のパロディ「肥満質の手記」、メッタリングという学者を、彼のクリーニングリストから批評しようとする物語等どれもおもしろい。その中でも白眉は「ミスター・ビッグ」。これは探偵小説を神学と哲学で和えたらこうなりましたって感じの作品。レベルの高いユーモラスな作品が揃っている。かなり面白い!2012/03/14
yunomi
2
ウディ・アレン初期監督作の様な才気走ったユーモアが存分に楽しめる短編集。こうしたスノッブな作風を嫌味に感じる人もいるかもしれないが、この堂々とした佇まいは流石としか言えない。2015/01/24
やまねっと
1
帯にあるように確かにユーモア小説である。読んだ感想としてはユーモアであったが、ユーモアに溢れているわけでもなく特段面白い内容でもなかったから読んでいて退屈した。こんな内容だったら別の本を読むべし。 短編ばかり17編集めているから1つ1つの分量が少ないのが救いだ。 中身は面白くないが、少しのユーモアだけが端々にある。2018/10/21
hika
1
知的で、茶目っ気たっぷりで、世界を嗤いながら愛するような視線と叙述がたまらなく可笑しい。2008/12/05
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