内容説明
シャーロック・ホームズの輝かしい冒険のなかに、まだ公開されていない大事件があった。それはあのドラキュラ伯爵にまつわる怖しい怪事件であった。なんとホームズは、ドラキュラ伯爵とすさまじい死闘を演じたことがあったのだ…。ハードボイルド作家として知られるローレン・D・エスルマンが、ホームズ・パロディーに挑戦した若き日の快作、遂に登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
46
原典であるストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』を忠実になぞっているせいか、全体に地味な印象はあるが、昨今のいわゆる奇をてらったこの手の作品に比べて筆に抑制が効いていて好感が持てる。原典のストーリーの合間を縫って文字通り伯爵と探偵が対峙するわけだが、原典の背景でなかなかの冒険が繰り広げられていたことになる。最後に白昼の危険をおしてまで満たそうとした伯爵のワトソンへの好奇心がこの作品で一番印象に残った。訳者あとがきは一部筆の滑った感はあるがなかなかの薀蓄で、ドラキュラ好きにはよい資料といえるのではないだろうか?2014/05/14
こばまり
29
Amazonで注文したらうっかり実家に届けてしまいました。子も子なら親も親。早とちりな母は、すわ未読のドイル作品があったとはと喜び勇んで読み始めた由。ちなみにそんな母の感想は「まぁまぁ面白かったわ。でも最後がねぇ(笑)」でした。同感!2014/06/18
ほーすけ
15
ヘルシング教授とホームズがプライド高くバチバチ光線、ドラキュラは何故か友好的?きっとホームズのファンなのね(笑)夢のトライアングルで楽しかったです。教授の出番が少なかったのは残念ですが、2大対決だから仕方がありませんね。最後にワトソン!好い奴だ~(^-^)他のパロディ本『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』も読んでみたい♪2014/05/26
雪之助
8
ホームズ、ワトスン、ドラキュラ伯爵、 ヴァン・ヘルシング...と、豪華な登場人物たちは、パロディならでは。 ドラキュラ伯爵の顛末を知った上で読みたい、その合い間にちょこっと関わったホームズ、ワトスンのストーリー。2017/10/11
鐵太郎
7
1980年頃、ホームズの出版代理人ドイル氏の版権が切れて、ホームズもののパロディ、パスティーシュが氾濫した黄金時代がありました。この本は、その頃の、ホームズと吸血鬼ドラキュラを絡めた楽しいパスティーシュです。ホームズ譚の一つとしてそんなに悪くはなかったかな。とはいえ残念ながら、ドラキュラのモデルたるワラキア公ヴラド・ツェペシュは歴史上の人物として割と好きなのですけど、ホラー小説自体には興味がないので、半分も楽しめませんでした。残念。 2006/03/28