内容説明
怪異物語の宝庫、怪談の本場イギリスの珠玉の短篇を選りすぐり、新訳でおくる傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kasim
29
現代ではすごく怖い、わけではないだろうけどどれも雰囲気のある物語。言葉で恐怖を表すためにどれほど語りの技が必要か再確認できる。ブラックウッドやストーカーの暗い閉鎖空間系も巧みだが、聞く人を魅了し死に至らしめる甘美な歌声を描くヴァーノン・リーは恐怖だけでなく聴覚も言語化してみせる。小学校の図書室で出会って以来大好きなクロフォードの「上段寝台」。その後作者も題も忘れ、大学生の時に同じ河出の岡本綺堂訳で再会した時の嬉しかったこと。久々の再読だったが裏切られなかった。作り物の楽しさ。表紙はマーヴィン・ピーク。2023/05/16
あたびー
11
#日本怪奇幻想読者クラブ 読書会の為再読。半分くらいは割と最近読み返した古典的に有名な作品が収められている。近頃再版され、表紙がかっこいいのだが、私の持っているのはこの古いガイコツ嬢のもの。新版は見ていないのだが、この旧版でも字がちっさいくせに結構な厚みなので、字を見やすく大きくしてあったら新版はかなりのヴォリューム感なのでは?有名どころと、この版の中では作者略歴不詳とされている二名の作品が含まれている。ブラックウッドは二編。初版1990年だが、ちょっと訳文が堅い印象のものも。2019/05/13
madhatter
2
ようやく手に入った。ずっと欲しかった本。近年アンソロジーに収録されたものも多かったが、十分楽しめた。収録作が粒揃いだ。トップバッターの「霧の中での遭遇」からして、単なる幽霊談に止まらない、捻ったオチがもう堪らない。また、由良氏の訳を初めて意識して読んでみたが、細かく工夫されていて、私好みだった。特に「ハリー」は、女性らしい柔らかな語り口で訳してあるのが良い。怪談は語り口にも左右されることをわかっていらっしゃる。その他お気に入りは「赤の間」「ノーフォークにて…」「おーい…」(既読除く)。2010/06/09
Simone Biblia
1
この本も、(旧装丁初版の)あとがきですでに、改竄したと断り書きがあるから古書店行きにした。 『ハリー』の訳文は他の訳文より気に入っただけに余計腹立たしい。 このシリーズの他の本は、一応「原文(初出訳文)のままにしている」と(新装版には)書いてあるから、それを信じるなら、駄目なのはこの一冊だけということになる。 まじムカつく気違い由良君美のクソッタレめクタバレ。 あら、コイツももう死んでらあ。 「はぁ〜、菜っ葉ばかり食っていやがったからなぁ・・・」2025/07/27
mineko.m
0
怪談話の傑作選として、幽霊屋敷から怨念ものまで良く考え抜かれた構成。「判事の家」は大量のネズミが印象的だった。「悪魔の歌声」は何だか陳腐に感じられた。2013/07/13




