内容説明
登山家にして大学教授、天才的美術鑑定家ジョナサン・ヘムロックは、アイガー北壁での困難なサンクション(制裁)を最後にCIIを辞めて、ロンドンに滞在している。ところが、友人の依頼で、マリノ・マリーニ彫刻『ダラスの馬』の鑑定を引き受けたことから、再び〈サンクション〉任務に引きずりこまれる羽目になる。その任務とは、英国全体を巻きこむ荘大な陰謀を阻止することであった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fritzng4
4
『アイガー・サンクション』のジョナサン・ヘムロックが活躍するシリーズ二作目。高名な美術評論家という設定はそのままに、イギリスを舞台に陰謀に巻き込まれるというものだが、前作のドラゴンの登場場面の奇矯さが全編に渡り繰り広げられる点でちょっと呆気にとられる部分はある。演題ミスとサスペンスフルな状況下で焦ってるヘムロックがアドリブで映画論を語る場面があるが、これが非常に空虚な映画論になっていて失笑してしまう。アメリカに憧れるヤンクとか、変なキャラ目白押しの中、アイルランド出身のマギーが魅力的。2024/12/08
Tetchy
3
前作『アイガー・サンクション』のような冒険小説を期待すると物足りなさを感じるだろう。しかし、個人的には傑作とまではいかないにしても一級のスパイ小説であると思う。本作は何といってもマギーに尽きる。レストランで食事をするシーンは本作の中で最も私が好きなシーン。今回も登場人物は個性的で際立っている。先に述べたマギーを筆頭に、完璧な美を誇る売春婦アメージング・グレース(素晴らしい名前だ!)、同じく永遠の若さを理想とする悪役マクシミリアン・ストレンジ、そして一癖も二癖もある美術品泥棒マックテイントなど、全て印象的。2009/10/27
Takashi Morishima
0
???アイガーサンクションとの落差に驚愕。2014/07/04
三門 優祐
0
『アイガー』を読まずに読んでもなんとかなるものですよ。おしゃれで知的な作品。2011/02/18