出版社内容情報
またひとり落ちていく――。勝てば天国、負ければ地獄。成績が待遇を決める全寮制の学校で、「教育」という名の支配が、いま始まる。予測不能な芥川賞作家による会心の初長編。
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成績向上のため、一日三回以上のオーガズムを推奨する全寮制の学校で、念力テストや授業、翻訳部の部活動に励む私は、ある日、友人の真夏に恋人ができたのを知って――。
勝てば天国、負ければ地獄の、規律と欲望が渦巻く閉鎖空間。
そこで懸命に生きる少年少女たちを描いた、芥川賞受賞第一作となる、会心の初長編。
◎解説=吉川浩満
【目次】
内容説明
成績向上のため、一日三回以上のオーガズムを推奨する全寮制の学校で、念力テストの対策や授業、翻訳部の部活動に励む私は、ある日、友人の真夏に恋人ができたのを知って―。規律と欲望が渦巻く閉鎖空間で、運命に翻弄される少年少女たちを、冷酷な筆致で描いた、芥川賞受賞第一作となる初長篇。
著者等紹介
遠野遥[トオノハルカ]
1991年、神奈川県生まれ。2019年、『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。2020年、『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
19
勝てば天国負ければ地獄の競争と規律と欲望が渦巻く全寮制高校。閉鎖的で特殊なルールが日常にも適用され抑圧される環境で人間の倫理を問われる物語。四択の試験による成績に基づいたクラス編成、成績で変わる部屋割、先輩が下級生に絶対的な権力を持ち、一日三回以上すると成績が上がりやすいとされるなど、独特な倫理観で運営される異常な学園生活を過ごすうちに、それを徐々に当たり前のものと受け止めてゆく主人公。普通に考えたらこれはおかしいと思うことも、環境に染まってゆくと疑問に思わなくなってしまうのか…なかなか戦慄の結末でした。2026/04/08
sugu
3
「何を読まされているのか。」解説の導入にもなっていたが、正にこれ。意味不明な世界観の中で話が進んでいき、無感情な語り口がテンポよく小気味がいい。読んでいくなかで、管理教育への反抗など一貫したものは見えてきた。しかし、物語の構造は捉えきれず。ほかの方の感想から学びたい。2026/04/29
さきこ
2
テストの成績で待遇が変わる学校の話。だが、待遇の違いや上下関係はそれほど描かれず、むしろセックスの部分が目立つ印象。外の世界との関係や、学校の在処への疑問など、膨らませ方はあったと思うが、従順に、ストイックにルールの中で結果を出そうとする勇人にフォーカスするところが遠野流。催眠をかけてもらったり、自己暗示をかけたりするところが、勇人の従順さを示しているか。2026/04/07
今Chan
1
確かに「教育」と「洗脳」は近接しているのかもしれない。不快感だけが残ったので、筆者の狙いどおりなのかな。2026/06/16
いぬ
1
超能力開発と性的な修練が往年のエロゲMOON.を想起させました。前作の破局にも似たタイプの独善的で共感性を欠いた主人公。時折ふと博愛的な感情が芽生えるも、教育という歪んだシステムに矯正され無関心な、盲目的になっていくことがテーマなのか?いやちがう。催眠の際に差し込まれる別人格の記憶の数々、そこに作者の技巧がもっとも輝いています。前作でも、空き巣に入った変質者の回想、事故物件の天井に浮かび上がる幽霊、など実に興味深くも何かの象徴的な寓話というより、あまりに引きが強い、本編を食ってしまう間奏。短編集なのかも。2026/06/17




