内容説明
じっと踏みこたえて光を求めているうちに、初めて自分の人生を外側から、また内側から支えてきた、人間を越えたものに思い至るだろう。苦しみや挫折でさえ、生の条件を自覚する契機となる。そのように生かすことができれば、大きな「恩恵」となり、その人なりの使命感も向こうからやってくる。―医師・神谷美恵子のロングセラー、エッセンスの初文庫化。
目次
第一章 いのちとこころ(いのちを支えるもの 外なる自然について;脳とこころ(1)内なる自然について
脳とこころ(2)新しい脳のもたらしたもの
人格について
知性について
こころのいのち)
第二章 人間の生きかた(自発性と主体性について;反抗心について;欲望について 何がたいせつか;生存競争について;使命感について)
第三章 人間をとりまくもの(科学と人間;病める心をみつめて 罪の問題;死について;自我というもの;人間を越えるもの;愛の自覚)
著者等紹介
神谷美恵子[カミヤミエコ]
1914年、岡山市生まれ。津田英学塾卒業後、コロンビア大学入学。44年、東京女子医専卒業後、東京大学医学部精神科、大阪大学医学部神経科を経て、57‐72年、長島愛生園勤務、ハンセン病治療に尽くす。その後、神戸女学院大学、津田塾大学教授。医学博士。1979年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふるい
10
不幸の只中にあってもじっと耐えうる力、今で言うネガティブ・ケイパビリティの考え方が表されている。自己中心的な考えに陥らず、自然の力や周囲の人の支え、そして人知を超えた大いなるものに自分が生かされている、ということを謙虚に受け入れられる人にこそ、「生きがい」が訪れるのかもしれない。2025/06/19
バーニング
3
後半のスピリチュアリティはいったん置いておいて、精神病者を異常として扱っていた時代に、実は精神に健常と異常の違いはないのではないか、という視点が一貫したエッセイ。ハンセン病療養施設である長島愛生園での勤務経験を書いたエッセイは特に印象に残る。2025/06/19
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/a15e675d-6683-4116-bc30-b92c92059d6b2025/07/08