内容説明
古今東西の名作怪作100冊の魅力・魔力。万巻の書物の毒に惑溺してきた“小説狂”作家の眼に、文学は人の思いもよらぬ呪われた自画像を垣間見せる―。かねてより「文体」至上主義を奉じる著者の、特異な文章術指南書にして、郷愁溢れる文学的自叙伝。言語芸術の極北を知るための伝説の奇書、完全版ここに成る。
目次
不治の言語病患者―「チャンドス卿の手紙」ホフマンスタール
倦厭の闇、一瞬の光源―『檸檬』梶井基次郎
世界を造形するまなざし―『リルケ詩集』リルケ
「リアル」ということ―『遠野物語』柳田国男
漫画のなかの「詩性」―『赤色エレジー』林静一
「無限」に触れる筆力―『伝奇集』ボルヘス
「起承転転」の小説―「子之吉の舌」ほか 島尾敏雄
「幼年」という名の庭―『トムは真夜中の庭で』ピアス
選ばれた「文体」と「生」―「青炎抄」ほか 内田百〓
小説―「過剰性」の言語―『泥棒日記』ジュネ
いかに詩を「観る」か―『静物』吉岡実
「少女」の発明―『少女コレクション序説』澁澤龍〓
「無実の日常」を生きる―『愛について語るときに我々の語ること』カーヴァー
いざ、「枝路」の方へ―「蔵の中」宇野浩二
詩の言葉で小説を―『肉桂色の店』シュルツ
漢詩―視と聴の悦楽―『李賀詩選』李賀
「独身者」の愛の機械―『モレルの発明』ビオイ=カサーレス
「人外」―反地上の夢―『幻想博物館』中井英夫
「幼稚さ」への意志―『バカカイ』ゴンブローヴィチ
存在の「外」を覗く―『闇のなかの黒い馬』埴谷雄高〔ほか〕
著者等紹介
諏訪哲史[スワテツシ]
小説家・批評家・随筆家。1969年名古屋市生まれ。國學院大学文学部哲学科卒業。独文学者の故種村季弘に師事。2007年に小説「アサッテの人」で群像新人文学賞・芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
mim42
まさ☆( ^ω^ )♬
うさぎや
ももいろ☆モンゴリラン