内容説明
日本SFの父・海野十三が生み出した名探偵・帆村荘六。名前のモデルであるシャーロック・ホームズも真っ青の怪事件に挑む奇想天外な推理譚。科学者だけに流行する奇病の謎から驚愕の真実が解き明かされる表題作をはじめ、文庫初収録の「匂いの交叉点」など名作珍作10篇。筒井康隆氏による傑作パスティーシュ「科学探偵帆村」を特別収録。
著者等紹介
海野十三[ウンノジュウザ]
1897年、徳島県徳島市生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、逓信省電気試験所で技師として働くかたわら、執筆活動を開始。1928年『新青年』に「電気風呂の怪死事件」を発表し、商業デビュー。以降、科学知識を応用した変格探偵小説の雄として嘱望され、さらに少年ものでは「火星兵団」などで絶大な人気を博した。現在では日本SFの父として名高い。1949年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
6
あ~、くだらないったらありゃしない(大絶賛)。表題作は1933年の作品だが、90年以上経ってもここに登場する技術が現実のものとなっていないというのは、海野がSF作家として頭抜けている証左だろう(大絶賛)。 筒井康隆も帆村シリーズのオマージュ作品を書いているが、これがまた本家に輪をかけてトンデモ作品で、おまけにエログロ風味が加わわっている。筒井の本領発揮(苦笑)。2024/12/31
来古
1
「赤耀館事件の真相」「爬虫館事件」「盗まれた脳髄」「俘囚」「人間灰」「匂いの交差点」「断層顔」「振動魔」【企画】「探偵作家コンクール」(問題編:小栗虫太郎 回答編:海野十三)【特別収録】「科学探偵帆村」(筒井康隆)特別収録作品目当てで読んだが、安定の下品さだった。あと、未読作品も収録されていたのが収穫だった。2024/12/30