出版社内容情報
天神さまとして現在も知られる菅原道真。その恩義を受けた三つ子、梅王丸・松王丸・桜丸がそれぞれの主君への忠義とのあいだで葛藤する。書道の奥義の伝授、親子の愛憎、そして寺子屋の悲劇…。社会の矛盾や理不尽を緻密な構成で描いた人間ドラマ。歌舞伎や文楽でいまも愛される名作浄瑠璃を血の通った名訳で。
目次
初段(大内の段;加茂堤の段;筆法伝授の段;築地の段)
二段目(道行詞の甘替;汐待ちの段;道明寺の段)
三段目(車曳の段;佐太村の段)
四段目(筑紫配所の段;北嵯峨隠れ家の段;寺子屋の段)
五段目(再び、大内の段)
内容説明
天神さまとして現在も知られる菅原道真。その恩義を受けた三つ子、梅王丸・松王丸・桜丸がそれぞれの主君への忠義とのあいだで葛藤する。書道の奥義の伝授、親子の愛憎、そして寺子屋の悲劇…。社会の矛盾や理不尽を緻密な構成で描いた人間ドラマ。歌舞伎や文楽でいまも愛される名作浄瑠璃を血の通った名訳で。
目次
初段(大内の段;加茂堤の段;筆法伝授の段;築地の段)
二段目(道行詞の甘替;汐待ちの段;道明寺の段)
三段目(車曳の段;佐太村の段)
四段目(筑紫配所の段;北嵯峨隠れ家の段;寺子屋の段)
五段目(再び、大内の段)
著者等紹介
三浦しをん[ミウラシヲン]
1976年東京生まれ。小説家。2000年『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
41
しをんさんらしい現代語訳の浄瑠璃。菅原道真が貶められ雷神となるまでを恩や忠義、情、人の心の醜さなどを交え一気に読ませてくれました。2024/12/29
びぃごろ
17
「日本文学全集10」から抜粋され文庫化される。池澤夏樹編集のこの全集、出た順に読むぞと思っていたが、未だ2冊しか完読出来ていない…あの厚い本も文庫として一つずつバラけると手にはしやすいが、「読んだー!」という達成感は薄れるなぁ(笑) 通しでもなかなか上演のない四段目「天拝山」「北嵯峨」五段目は文楽で観たいものだ。国立劇場を改修するまで開放できないものか…しをんの口語訳は楽しい。文庫版あとがきもあり。人格不統一よりも藤原時平がトキヒラとルビがあったり、シヘイと読ませたりする方が気になったよぅ。2025/01/25
あんパパ
9
小生が受験生の頃に文学史の中で名前を知った作品。あとがきによると作者が極力原文の通りに現代訳をしたそうで、しをんさんが現代訳をしていることをしらなければ生涯この作品を読むことはしなかったであろう。温故知新か。2025/02/17
くまさん
8
「道明寺の段」「車曳の段」「寺子屋の段」は歌舞伎で観たことがありますが、最初から最後までの流れは本書で初めて読みました。三浦さんの文章は特に『三浦節』が出るわけではなく、市井の人間讃歌と捉えて、粛々と語られていると思います。ただ、三浦さんの解説を読むと、文楽でも歌舞伎でも観たくなりました。③2025/05/17
ゆぽ
6
義太夫狂言の三大名作のひとつ。歌舞伎でも観てますし、以前岩波文庫の古めかしいのを読んだことがありますが、訳を三浦しをんさんがなさったということで読んでみました。読みやすく、より歌舞伎への解像度が上がった気がします。主従の関係性などは現代では分かりづらいのでは?という問題も、あとがきでなるほどと思わせるくだりがあり…物語の普遍性を改めて感じました。これをきっかけに文楽や歌舞伎を観てみたいという人が増えたらいいなと思います。2025/05/13