河出文庫
大震災’95

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309421506
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0195

出版社内容情報

阪神・淡路大震災のあらゆる問題を緻密に追究したこの書物を、私たちの社会は何も生かさずに過去に置き去り、そのまま東日本大震災、能登半島地震を迎えてしまったのだ。反省は決して遅過ぎない。急いで議論しよう。 ――いとうせいこう
あれから30年。『日本沈没』の著者、渾身の記録。
一九九五年一月十七日午前五時四十六分五十二秒、阪神・淡路を襲った最大震度七の直下型地震。小説『日本沈没』の著者は責任感に突き動かされるように、一年間にわたり全貌の記録と総合的な解析を行い、この国の災害対策の様々な問題点に迫ってゆく。過去と現在の災害を風化させないために、未来の災害に備えるために――。災害記録の名著にして、永遠の警鐘の書。
解説=最相葉月
■目次
はじめに
 あの日から七十五日
 災害列島に住む私たち
 『日本沈没』の激震が現実に
 発展続けた阪神地区を十秒で破壊
 【対談】記録者の目(神戸新聞論説委員長・三木康弘)
第一章 一九九五年一月十七日午前五時四十六分五十二秒
 混乱から年が変わった一九九五年
 たった十秒間のできごと
 「その瞬間」を記録した映像
 「その瞬間」の消防局中央管制室
 電力とガスの復旧
 「水」の問題
 取り消された「神戸震度6」
 依然続いた「東京情報」
 放送メディアの教訓
 届かなかった「一年生議員」の叫び
第二章 全貌を把握するために
 あの日から半年
 心細い気象台の観測網
 震度計測の意外
 軽視される強震動観測
 計測震度計に「航空電子工学」が
 【対談】地震の予知は可能か(京都大学教授・尾池和夫)
 二十四年ぶりの防災基本計画改定
 自衛隊の救助活動
 自衛隊の組織配備
 露呈した役所組織の欠陥
 【筆者に聞く】
 【対談】活断層とは何か(断層研究資料センター理事長・藤田和夫)
 【対談】前兆現象(前大阪市立大学理学部長・弘原海清)
 欠けていた「海」の視点
 「海」を取り戻す街づくり
第三章 再生に向かって
 都市文化の蓄積が復興に
 【対談】心のケア(精神病理学者・野田正彰)
 十カ月目の被災地を空から見た
 暮れゆく悪夢の九五年
 「神戸の興行魂」いまだ死なず
 「神戸人気質」踏まえた復興を
 再建に向かう地元メディア
 【対談】神戸大学の試み(神戸大学工学部長・片岡邦夫)
 胸打つ市民の視線
 文化情報活動にもボランテ

内容説明

一九九五年一月十七日午前五時四十六分五十二秒、阪神・淡路を襲った震度七の直下型地震。小説『日本沈没』の著者は責任感に突き動かされるように、一年間にわたり全貌の記録と総合的な解析を行い、この国の災害対策の様々な問題点に迫ってゆく。過去と現在の災害を風化させないために、未来の災害に備えるために―。災害記録の名著にして、永遠の警鐘の書。

目次

第1章 一九九五年一月十七日午前五時四十六分五十二秒(混乱から年が変わった一九九五年;たった十秒間のできごと ほか)
第2章 全貌を把握するために(あの日から半年;心細い気象台の観測網 ほか)
第3章 再生に向かって(都市文化の蓄積が復興に;“対談”こころのケア(精神病理学者・野田正彰) ほか)
第4章 二十一世紀の防災思想へ(“対談”観測(京都大学教授・土岐憲三)
謎深かった中途階挫屈 ほか)

著者等紹介

小松左京[コマツサキョウ]
1931年、大阪生まれ。京都大学文学部卒(イタリア文学専攻)。日本を代表するSF作家。『日本沈没』は490万部を超える大ベストセラーに。同作で日本推理作家協会賞および星雲賞日本長編部門受賞。『首都消失』で日本SF大賞受賞。2011年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海燕

17
震災から30年を控え、新装版が出たのを機に初めて手に取る。私は当時京都に住まいしており、この時の地震がこれまでに経験した最大の揺れである。著者は箕面の自宅で被災。震災を記録することの義務感から、毎日新聞に宇宙に関する連載を予定していたのを変更し、4月から一年に渡り、震災をテーマに連載。特に震災当日や震度観測についての記録は貴重だ。地震予知について地震学者と真面目に語っているのには時代を感じる。対談の相手が研究者に偏っていて、県や市の行政とも意見を交わしていればもっと実態に迫れただろうと思う。2024/12/27

どら猫さとっち

10
「日本沈没」「首都消失」など、日本SFの巨匠・小松左京が体験した、阪神淡路大震災。地震発生前後から、被災した都市や人々の暮らし、周囲の人たちの苦しみを綴りながら、専門家との対談やインタビューを交え、構成した震災の記録。あれから30年、東日本大震災や昨年の能登半島大震災などの地震にあった。本書を読み、それを今後の復興や予防に生かすことが必要だ。しかし、その震災の知恵が生かされなかったのが、心底残念だ。2025/01/26

k2ro

4
阪神淡路大震災の発災直後からのルポルタージュ。神戸出身の作者だからか力の入れ方が物凄く、迫力が凄まじい。しかも多方面へ取材を行った上での記事には説得力がある。被災状況の全体像を把握するまでのもどかしさ。中央と発災地域との温度差。出動要請がかかると予想しているけど、自治体の首長からの依頼がなければ出動できない自衛隊。インターネットやSNSの発達した現在は、情報伝達速度は30年前とは比較にならないだろうけど、被災者に寄り添う支援活動や、そのための仕組み作りはアップデートできているのか、自分事として考えたい。2025/03/21

かずさん

2
当時をまざまざと思い出した。現在の日本はこの大きな教訓を活かしているのだろうか…。2025/05/23

ぱーぷる・ばんぶー

1
阪神大震災を経験した小松左京が、その直後連載予定を変更して災害にかかわるあらゆることを現在進行形で描いたルポルタージュ。課題とされていることが今も解決されていないことに驚く。2025/03/16

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