内容説明
戯作者、浮世絵師、デザイナー―文化を愛し、吉原を愛した江戸のマルチクリエーター・山東京伝による、吉原・浅草芸者の風俗を描いた洒落本「通言総籬」と「仕懸文庫」。寛政の改革の出版統制により発禁処分となった二篇を画期的現代語訳で。「仕懸文庫」は本邦初の作家訳し下ろし。
目次
通信総籬
仕懸文庫
著者等紹介
いとうせいこう[イトウセイコウ]
1961年東京都生まれ。作家、クリエーター。1988年に『ノーライフキング』で小説デビュー。99年『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞、2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Roko
31
現代語訳をしたとはいえ、単語の説明がとにかく多いんです! たとえば「三方」なんて、今でも使ってるけど名前を知らない人の方が多いです。「鏡餅やお月見の団子を乗せる台」といわれて、やっとわかる人がほとんどじゃない?だから、着物の説明なんかが出てきたら、1ページの半分くらいが説明文になっちゃうんだけど、本文よりこっちのほうが面白かったりするのよね。そのおかげで楽しく読み通すことができました。2025/03/05
いのふみ
2
当時の事情や用語を現代と引き合わせたりしていて、注だけで一冊にしたいほど。いとうさんが楽しみながら訳したのがわかる。2025/04/04
いのふみ
1
文章が踊る語りの闊達さ、遊び心、表現の時にユルさ、お上を欺く術、テキスト全体の風通しのよさ。これが江戸文化というのだろう。2025/04/03