内容説明
石堂一徹の武勇により、家中で躍進を続ける石堂家。しかし、古参の譜代の臣からは次第に疎んじられるようになっていく。時を同じくして、甲斐の武田信虎がいよいよ中信濃に侵攻しつつあった。だが十年先を見通す一徹と、目先の戦しか見ぬ主・村上義清との関係に微妙な変化が生じる…
著者等紹介
北沢秋[キタザワシュウ]
東京都生まれ。東京大学工学部卒業。会社員生活を経て、2009年に『哄う合戦屋』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかあき
5
悪い結末の分かっている物語なので中盤にかけて家来や家族との絆を描く場面はドキドキしながら読まされた。 1作目の「嗤う合戦屋」から格段に面白くなっていたが、主人公が強過ぎる事もあって敵にあまり魅力がないのが難点か?と思った中井貴一が演じた大河ドラマ以来の武田信玄ファンの感想。2024/07/18
うさぎや
5
やっぱりそうなってしまうのか……一徹を使いこなせる器の持ち主はいないのか……2024/05/17
Fumoh
2
下巻においては、悲劇的な展開が待っていました。あまりにも有能すぎ、また論理的で、他者にも気を遣える一徹が、中世の権力構造に凝り固まりすぎた村上家中でだんだん煙たがられ、嫉妬され、最終的には主君の村上義清からも疎んじられるようになってしまう。孤軍奮闘する一徹に、武田家の刃が襲いかかります。あまりにも傑出しすぎた才能は、他者の無能さも明らかにしてしまうものですね。全体的にヒーロー小説として楽しく読むことができましたが、いささか一徹がスーパーヒーロー&清廉すぎて、現実感の欠いたものと思われたのが残念でした。2024/05/28
ササーキー
1
戦国時代の悲しい選択です。2024/09/13