内容説明
出会う猫、産む猫、甘えん坊猫、家出猫、ただ居る猫、眠る猫、おしゃべり猫、仔猫、黒猫、ツンデレ猫…。家族であり相棒であり恋人?愛人?のようでも、空気のような存在でもある猫。この不可思議な生きものと過ごす時間は、それぞれ違っていずれも愛おしい。33人の作家による猫エッセイアンソロジーの決定版。
目次
「言葉」の介在しない世界の魅力(養老孟司)
「四匹のエイリアン」の巻(村山由佳)
猫に名前をつけすぎると(阿部昭)
猫(伊丹十三)
猫(池波正太郎)
風の中の子猫(稲葉真弓)
ビーチの到来(抄)(町田康)
猫、想像力を鍛える(角田光代)
猫の耳の秋風(内田百〓)
優しい雌猫(谷村志穂)
一畑薬師(徳大寺有恒)
猫缶と夏の涼(野坂昭如)
魔性の女(森下典子)
猫の親子(中勘助)
仔猫の「トラ」(片山廣子)
猫の引越し ほか二篇(大佛次郎)
それでもネコは出かけてく(ハルノ宵子)
うずまき猫の行方(群ようこ)
失猫記(北村太郎)
猫と妻(島尾敏雄)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
45
猫は不思議な生き物だなと改めて思います。だからか、猫と過ごす時間はほっこりするのかもしれません。そんな猫との時間が愛おしかったです。2024/02/28
スリカータ
16
100年間の猫エッセイを集めた本。この100年で猫との関わり方で、変わったことと変わらない事がある。そして、飼い主の価値観も様々だ。町田康さんや群ようこさんのエッセイは面白くて好き。村山由佳さんの猫のお産に立ち会った話は以前読んだことはあるが、表現が独特で面白いし、緊迫感が伝わる。この日に生まれた子猫の一匹が村山さんの運命の猫・もみじちゃんなんだなぁ。2024/05/24
まさ☆( ^ω^ )♬
11
明治から平成までの約100年間に書かれた、33人の作家の短編集。とても面白かった。各々アプローチは違えど、猫に対する愛情が感じられた。やはり、百閒先生の度を超した猫に対する愛情は何度読んでも面白い。猫は絶対人間より自分の方が主人だと思ってるよね。猫に翻弄される人間達の姿が微笑ましいです。2024/02/21
ponnnakano
9
書店で表紙の猫の視線に釣られた。猫にメロメロな方々による文章だけが集められていると思い込んでいたが、一口に猫好きと言っても色々あるようだと、今更ながら思った。猫もみんな個性的だし、猫との付き合い方も人それぞれだが、自分としては町田康のそれがとても気に入っている。というか尊敬している。群ようこの猫探しの張り紙の話。近所でもたまに同じような張り紙を見かけることがあり、その後見つかったのかどうか気になるところだったので、無事見つかったことがわかって一安心。近所の人たちが心配したり喜んだりしてる様子がとてもいい。2024/03/26
陽ちゃん
9
表題も表紙の養老孟司先生のところの「まる」の写真も(帯の「まる」の写真も可愛いにゃ)、猫好きにはたまりません!漱石や梶井基次郎の作品は読んだことがありますが、どの作品も猫愛に溢れていて楽しめました。2024/02/24