内容説明
「魔法にかかったかのように、私は彼の虜になった」…もし、その相手が一生かかってもかなわない天才同業者だとしたら?音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」。犯人は、アントン・フェリックス・シンドラー―誰よりもベートーヴェンの近くで尽くした人物だった。なぜ、彼は捏造に手を染めたのか。衝撃的歴史ノンフィクション!
目次
序曲 発覚
第1幕 現実
バックステージ1 二百年前のSNS―会話帳からみえる日常生活
第2幕 嘘
バックステージ2 メイキング・オブ・『ベートーヴェン捏造』―現実と嘘のオセロ・ゲーム
終曲 未来
著者等紹介
かげはら史帆[カゲハラシホ]
1982年、東京郊外生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業、一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
購入履歴本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
28
難聴だったベートーヴェンの死後、その会話帳の一部を勝手に破棄したり、数々の改竄を施したりした秘書シンドラー。彼の書いたベートーヴェン伝も、信用ならないものだという。崇高な楽聖と忠実なその秘書という物語を作ったシンドラーの動機に迫る。この本自体、著者が彼の内面に迫るというより、主観に入り込んでしまうのだから、かなり小説よりのノンフィクションと言える。それにしても、これほど崇拝し奉仕したのに、ベートーヴェン本人には軽んじられ、嫌われ、バカにされていたのだから、なんだかやり切れなくて、ほろ苦い哀愁が漂う。2025/05/16
ぐうぐう
26
晩年のベートーヴェンの秘書を務めたシンドラーによって、現代にまで引き継がれているベートーヴェン像がでっち上げられた。嘘のようなホントの話に、まずは引き込まれる。聴力を失ったベートーヴェンは周囲の人達とコミュニケーションを取るために会話帳を用いた。死後に遺された膨大なその会話帳をシンドラーは大胆にも改竄していく。ベートーヴェンを神聖化するために、あるいはシンドラー自身の存在を大きく見せるために。例えば「交響曲第五番」冒頭のジャジャジャジャーンという音を「運命はかくの如く扉を叩く」と(つづく)2025/08/13
ばんだねいっぺい
24
飴に群がる蟻のごとく、天才のまわりにはという感想。なんだかんだと名プロデューサーの才を発揮したのが皮肉でならない。さまざまなバトルも盛り上げに一役も二役も買ったに違いない。2023/12/29
緋莢
23
「このように運命が扉を叩くのだ」交響曲第五番のジャジャジャジャーンというモチーフについて、ベートーヴェンはこう述べた…と伝記には書かれている。だが、これは 伝記の執筆者の創作の可能性が高い。伝記の執筆者であるアントン・フェリックス・シンドラーはベートーヴェンの晩年に音楽活動や日常生活の補佐役をしていた人物。そんな彼が 聴覚を失ったベートーヴェンが、コミュニケーションを行うために使用していた筆談用ノート「会話帳」の一部に加筆、一部は燃やしていたことも判明(続く2024/05/01
鐵太郎
20
ベートーヴェンが生き、死んだ時代、音楽家を英雄・アイドルとして崇拝することはそれほどポピュラーではなく、葬式、墓はもとより死後に讃える銅像を造るなど皆無であったとのこと。しかしベートーヴェンを崇拝し、顕彰し、楽聖と讃える元を作ったプロデューサーがいたのでした。その名はアントン・フェリックス・シンドラー。この男は、実はベートーヴェンに疎んじられた「面倒くさい男」であり、師と自分を持ち上げるために「会話帳」を改竄して大ウソをついたのだという。なぜ、なんのために。それを解明した歴史ドキュメントがこの本。面白い!2023/12/22
-
- 和書
- すだちの木