内容説明
生涯の師ともいうべき埴谷雄高の文学と思想の本質を追求した表題作の他に、竹内好・武田泰淳・三島由紀夫・椎名麟三・野間宏・井上光晴・深沢七郎など、著者がもっとも親炙した戦後文学者、さらに漱石・藤村・太宰への精緻な考察を収め、作品論を通して本格的文学論を展開。
目次
逸脱の論理―埴谷雄高論
自立の精神―竹内好における魯迅精神
忍耐の思想―武田泰淳
仮面の美学―三島由紀夫
日常への回帰―椎名麟三
現代の地獄―野間宏
苦しむ才能―井上光晴
無常の視線―深沢七郎
夏目漱石における近代
実事求是の精神―島崎藤村
滅びの使徒―太宰治