内容説明
政治的理念や情勢論を拒絶し、人間としての思想原理を宣言した「孤立無援の思想」「葛藤的人間の哲学」などの代表的評論から、自らの生い立ち、戦時下の少年期、激動の青春時代、そして病いや酒の記憶などの体験を綴ったエッセイまで、全35篇。高橋和巳の思想と人生の全貌。
目次
失明の階層―中間階級論
孤立無援の思想
葛藤的人間の哲学
極限と日常
戦後民主主義の立脚点
滅びざる民
戦争論
見る悪魔
自立と挫折の青春像―わが青年論
現代の青春〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mak2014
3
評論・エッセイなど全35編。表題作は2ページちょっとの小咄のような子供時代のことを記したエッセイ。小説だったら嘘っぽくなってしまいそうな昔の近所の家との関係が描かれている。論語との関わり、その思いをつづった『論語』、そのなかで中国文学そして論語への導きとして中島敦について記しているのが興味深い。深い教養、教員としての経験、そして30代での夭折……。深いつながりを感じさせる二人の共通点。2016/09/03
拳児
0
高橋和巳氏の青春論を高校時代の国語の教科書で知り、深い感銘を受けた。それ以来、その国語の教科書は大事にとっておいて何回も読み返した。10年以上前、高橋和巳セレクションの存在を知り、「このチャンスを逃したら、高橋和巳の本は手に入らない。買うしかない!」と全巻買った。『捨子物語』と『悲の器』を読んだ。青春論の、『自立と挫折の青春像』は、何回読んだか解らない位だ。それほどまでに感動した青春論だから、小説も俺に向いているんじゃないか、と思って。2014/09/09
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