内容説明
お白州に現れたのは、窃盗の罪に問われた女性・お絹。微罪ながら犯行動機についていっさい語ろうとしないお絹は、長引く吟味の果てに、敵は化けものだと漏らす。化けものとは一体誰なのか?そして彼女が捕まった真の狙いとは?全てが明らかになる時、驚愕のどんでん返しが待ち受ける。異色の経歴を持つ著者による華麗な時代小説デビュー作が、文庫書き下ろしで登場!
著者等紹介
藤田芳康[フジタヨシヤス]
1957年大阪市生まれ。神戸大学文学部卒業後サントリー制作室にコピーライターとして入社。「BOSS」、「なっちゃん」、「DAKARA」などの商品をネーミングする一方で、京番茶や天然水などのCMを企画・演出する。1998年に映画脚本『ピーピー兄弟』でサンダンス/NHK国際映像作家賞を受賞し、自ら製作・監督。2002年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で南俊子批評家賞を獲得した。2020年には初の小説『太秦―恋がたき』(改題「屋根の上のおばあちゃん』)で第1回京都文学賞優秀賞を受賞し小説家デビュー。日本映画監督教会及び日本シナリオ作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陽ちゃん
11
副題から想像してたのとは全く違う展開に驚き、表題にもなっている「化けもの」の正体にも驚きました。そして、最後の最後、またもや“えっ?!”。まあ、神仏は欺けない、としいことでしょうかね。2023/10/20
Tatsuhito Matsuzaki
8
切れ者の南町奉行が見守るお白州に、働き先の旅籠で窃盗に及んだ女中が引き立てられた。 犯行は認めるもその動機は語らず吟味の果に「敵は化けもの」と告白。 彼女が捕まった真の狙いが徐々に明かされ、最後に探し求めた化けものが姿を現す…。 著者はコピーライターとして「BOSS」「なっちゃん」等をネーミングする一方、天然水のCM企画や映画の制作監督を務めた後にデビューした異色の作家。 驚愕のどんでん返しとのことでしたが、全5章のうちの2章半ばで何となく予感してしまい、しかも最後のシーンはあまりにも呆気ない結末でした。2024/01/08
keisuke
4
図書館。もう少し捻りやオチが欲しかった。2023/11/04
とらやん
3
ほとんど南町奉行所のお白州のみで物語は進んでいく。まるで法廷物みたい。でもあまりにも陰惨な事件で、気が滅入ってしまいます。文庫なのに解説がないのも悲しいです。2024/05/19
キイ
1
どんでん返しという言葉に惹かれて読んだけれど、ちょっと違う気も…そして、よく出来たお話だし面白かったけれど、時代小説として読むには違和感あり…かな。2023/10/30