出版社内容情報
なぜ「海の見える無人駅」は、こんなにも心地いいのか!海と厳選30の無人駅…目を凝らせば、もっと多くのものが浮かび上がる。絶景の小さな駅の物語から今の日本が見えてくる。巻頭カラー16P付き!
内容説明
青く抜ける空と海。ポツンと佇む駅舎。静寂と解放感。郷愁を誘う「海の見える無人駅」は、なぜこんなにも心地いいのか。さらに目を凝らせば、多くの事象も見えてくる。歴史や人の営み、生物、環境問題など多様な今日的テーマから日本を照らし出す。絶景の中にある、「もう一つの景色」を見つめるルポルタージュ。きっと見つかる新しい「その先」の愉しみ!
目次
北海道
東北
関東・中部
近畿
中国
四国
九州
著者等紹介
清水浩史[シミズヒロシ]
1971年生まれ。書籍編集者・ライター。早稲田大学政治経済学部卒業。東京大学大学院修士課程修了(政治学)、同大学院博士課程中退(環境学)。大学在学中から国内外の海や島をめぐる旅をつづける。テレビ局、出版社勤務を経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
77
読み友様からのご紹介本です📚駅から海が見えたならそれはきっと青春も垣間見える。下灘駅は映えスポットとして有名だけど映えない素朴な海の見える駅もとても素晴らしい。北から南に順番に紹介されている。文章が秀逸。本当に駅って青春18切符そのもの。北国で育った私は北の駅に惹かれるが長崎本線・小長井駅のいそぎんちゃくの天ぷらにビックリ!!!有明海なんだなぁ~😊文庫版が図書館になく単行本にて。2023/08/23
はっせー
60
久しぶりの紀行文。こんな本読んだら旅行行きたくなる!!!そして本書のような文章を書きたいと思わしてくれた作品であった。本書は海の見える無人駅へ行く紀行文となっている。ただただ行くだけではなく行った先の駅の歴史や未来についても思い馳せている。茨木のり子の話・柳田國男の話・中上健次の話など色んな人や歴史と現在をうまく混ざらせていて面白い!この夏はどこかへ行こう。2024/08/03
へくとぱすかる
56
海が見えるほど風景が美しいのに、無人駅であるために、そこには淋しさが漂う。駅を基点にして語られる物語は、海が近いゆえに震災からの復興であったり、あるいは限界集落に住む人々の将来への不安であったりする。駅から見える近くの島に渡って、かつて人々が住んでいた名残りを見る旅程など、ゆるやかに衰退していく世界を、わが身の問題として感じられるようにさえ思える。海に近いといえば、鶴見線の海芝浦もそうだが、あとがきに挙げられながら収録されていない。ここに収められた駅のプロフィールを読めば、その理由がわかるような気がする。2023/12/02
おいしゃん
21
駅から始まるグルメや島旅行、というテイストで多面的に楽しめる一冊。ここまで本格的に海を望める駅があるとは知らなかった。2024/12/18
新田新一
14
全国の海が見える無人駅を紹介する本です。きれいな写真がたくさん収録されており、写真集としても楽しめます。本文の中に「鉄道情緒」という言葉が出てきて、味わい深いと思いました。列車の窓から見える海、カーブを描く線路、ポツンと立った海を眺めるためのベンチなど、無人駅には詩情があることが、本書を読んでよく分かりました。無人駅があるのは人口の少ない、寂れた田舎です。でも、そんな場所には都会では味わえない良さがあることに、気づかされました。流氷が見える北海道の北浜駅には、ぜひ一度行ってみたいです。2023/08/02
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