出版社内容情報
完全新作、日本SFアンソロジー。揚羽はな、芦沢央、池澤春菜、斧田小夜、勝山海百合、最果タヒ、斜線堂有紀、新川帆立、菅浩江、高山羽根子、溝渕久美子、吉羽善、藍銅ツバメの全13編。
著者情報
1961年、高知県生まれ。翻訳家。書評家。責任編集を務めた『NOVA』全10巻で第34回日本SF大賞特別賞を受賞。訳書にウィリス『航路』他。著書に『新編 SF翻訳講座』『現代SF観光局』他。
内容説明
日本SF史上初!女性作家のみでおくる書き下ろしSFアンソロジー。
著者等紹介
大森望[オオモリノゾミ]
1961年、高知県生まれ。京都大学文学部文学研究科卒。翻訳家、書評家。責任編集を務めたアンソロジー“NOVA書き下ろし日本SFコレクション”全10巻で第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門、日下三蔵と共編の“年刊日本SF傑作選”全12巻で第40回日本SF大賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
18
大森望責任編集による書き下ろしSFアンソロジー。今回は全員が女性作家による本邦初の試みです。知ってるのは池澤春菜と最果タヒのみでしたが、タヒさんの詩は私には理解しがたかったですが、小説は良かったです。この中ではゲームの実況の解説と異世界転生物は正直ジイジにはピンときませんでした、正直に言います。だが、それ以外は性差など気にせず楽しめました。特に斜線堂有紀の「ヒュプリスの船」は殺人事件とタイムリープを組み合わせて、哲学、倫理、宗教、までを問う思考実験的ダイナミズムには圧倒!揚羽はなの「シルエ」も心に残った。2023/05/04
そふぃあ
17
女性作家のみを集めたSFアンソロジー。芦沢央「ゲーマーのGlitch」、溝渕久美子「プレーリードッグタウンの奇跡」が面白かった。2023/05/04
Mc6ρ助
15
年ごとに頭が固くなっているのかSF短編集への垣根が高くなっている。趣味の読書に無理をする必要もないと思いつつもつい図書館に予約を入れてしまう。新川帆立さんの「刑事第一審・・」お見事としか言いようがないけれど、素人な爺さまは被害者家族をいたぶるんじゃなくて、いい子ぶってるメディアの人たちをぶん殴ってほしいと思ってしまったよ。社会の木鐸たれなんて全く聞くこともなくなってしまったよね。2023/06/29
本の蟲
14
お久しぶりの不定期刊行SFアンソロ。今回は女性作家で揃えたということだが、編者もそれを看板にするつもりもなく、読んでいて意識することはなかった。作品はバカSFに少し不思議、ゲーム、動物、AI、異世界に歴史改変、ループ物と幅広く、どれも高水準で外れなし。ドラマ化もした「元彼の遺言状」で有名な新川帆立のSF法廷物。経歴紹介の単行本が気になった初読の斧田小夜。特にお気に入りの、時代小説のように描かれた絡繰り犬の話。「犬魂の箱」作者、吉羽善(残念ながら単行本未刊行)等々、読みたい作家が増えた良アンソロ2023/05/01
緋莢
12
書き下ろしSFアンソロジーシリーズの新刊。2年ぶりの刊行ということですが、編集後記に書かれているように<あれから二年経つの?>と編者が書いていますが、読んでいる自分も、えっ、そうなの!?とビックリ。最初の池澤春菜「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」はいくらダイエットをしても痩せない女性の話しで、その〝理由”が明らかになる辺りで 何度も笑いました。池澤春菜は、アンソロジー等で何作か読んでいますが、色々な話が書けるんだなぁ、とビックリ。そろそろ小説の単著が出ても全く不思議じゃありません(続く 2023/08/07