内容説明
「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、有吉さん」文化人類学者の友人、畑中幸子氏に誘われて超多忙の一九六八年、第二の故郷であるインドネシア滞在後に足を伸ばしたのが、ニューギニアの奥地、セスナを降り三日間山を歩いて辿りついたヨリアピだった。文明に侵されていないシシミン族が住む地での驚きの連続と抱腹絶倒の滞在記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
200
こんな状況になるとわかっていたら来なかったのに。文化人類学者畑中幸子さんを1968年に訪ねた同い年の有吉佐和子さんの冒険記。まだ着かないの。もうすぐだ。永遠にその繰り返し。とても小説家の来る場所ではなかった。動物も植物も環境に適応する。それは人間も同じだが、透明な水はないしワイルドな食べ物しかない。足の爪は痛いし、戻る道程を考えるだけで動けなくなる。帰りたいのに帰れない。生きて帰ってこられたのは奇跡だった。戻ってからも大変だったけど。シシミン族はこの後どうなったのだろう。文明の流入を止めることはできない。2025/11/03
ふう
102
1968年、文化人類学者の友人畑中幸子に誘われてニューギニアを訪れた作者の、想像を絶する過酷さを描いた紀行&滞在記。一行目から文の上手さに惹き付けられました。命の危機と言ってもいいほどの大変なできごとに何度も遭遇するので、読む方も真剣にとは思うのですが、あまりにもおかしくて吹き出してしまう場面もたくさん。関西弁の女二人の会話が本音だらけで最強です。深く考えずに行ってしまった作者もすごいけど、未開の地に女一人で住んでいる畑中さんはすごすぎます。帰国してからのマラリア発症の場面が一番怖かったような気がします。2023/07/13
じいじ
75
有吉佐和子の初エッセイは、めちゃ面白いです。自身を主役にサイコーの役者を演じています。目指す目的地は、男でも二の足を踏むと言われる「ニューギニア」。相棒は、健脚を自負する人類学者の女史。初日からの強行日程に、佐和子さんは最終地まで持つかなぁ?と心配になります。だって、普段は歩くことが大の苦手な佐和子さん、日本橋三越から白木屋までの250mをタクシーに乗っちゃう人だから。同行の現地のシンミン族が逞しく頼りになりそうです。この珍道中は面白すぎます。書きたいことが、ありすぎて250字ではとても無理です。2025/09/02
たま
74
有吉佐和子が1968年、文化人類学者の友人畑中幸子をパプア・ニューギニアに訪ねた記録。畑中は数年前に〈発見〉されたシシミン族の集落に住み込み研究中。有吉は現地の人なら8時間で踏破すると言う山超えに3日かかり、足の爪が剥がれ全く動けなくなりブタのように棒に吊り下げられて現地にたどり着く。有毒動植物に泥水、そして全身の痒み。二人とも1930年外地生まれの強靱さ。とくに「ほんまに弱虫やな。アカンツやな。そんなことでどうするんや。なんのためにニューギニアの奥地まで出かけてきたんや」と毒づく畑中さんがすごい。2023/07/04
夜長月🌙新潮部
67
有吉さんが知り合いに誘われて当時は秘境中の秘境であったニューギニアに行きます。その秘境度、冒険度の高さはおそらく誰もの想像を越えています。知り合いは東大の文化人類学の研究者ですので、その種族や場所は世界初の報告として論文になるほどで、とんでもないことが次から次へと起こります。(一度絶版となっていたものがこうしてまた文庫となり広く読まれるようになったのはうれしいです)2025/05/21
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