出版社内容情報
軽妙な語り口で、深い江戸知識をまとめ上げた『風俗江戸物語』、明治の東京を描いた『風俗明治東京物語』を合本。未だに時代小説の資料としても活用される、江戸を知るための必読書が新装版として復刊。
著者情報
本名敬二。1872年、旧御家人を父として東京に生まれる。東京日日新聞に入社。記者の傍ら戯曲を書き、『修禅寺物語』『番町皿屋敷』等の名作を発表。捕物帳の嚆矢〈半七捕物帳〉で人気を博した。1939年死去。
内容説明
永遠の名作「半七捕物帳」の著者である岡本綺堂が、岡っ引きの給料事情や、心中は犯罪だったことなど、知られざる江戸の生活の実情を記した「風俗江戸東京物語」。しみじみとした明治の面影を伝える「風俗明治東京物語」の二冊を合本。読みやすい名エッセイにして、時代小説を執筆する際の資料としても必携の、綺堂版江戸東京事典。
著者等紹介
岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年生れ。本名敬二。旧御家人を父として東京に生まれる。東京府中学校卒業後、東京日日新聞に入社。記者のかたわら戯曲を書き、『修禅寺物語』『番町皿屋敷』などの名作を発表。定評のある江戸風俗の確かな知識は、人気を博した捕物帳の嚆矢「半七捕物帳」シリーズなどの作品に遺憾なく活かされている。1939年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tatsuo Ohtaka
4
明治生まれの著者が、古老に聞いて書き留めた江戸時代と、自身が育った明治時代の風俗を書き綴った快著。何よりも単なる歴史事象の説明にとどまらない、庶民の姿が生き生きと描かれている点がすばらしい。「半七捕物帳」を補完して、さらにイメージを拡げる一冊だ。2022/10/28
hitsuji023
3
読んでると江戸を身近に感じられるような気になると同時に、現代はこんなにも変わってしまったんだなと思った。いろいろ興味深いことは多いけど、落語が好きなのでそれについての引用。「自宅にいても退屈、さりとて近所の家々を毎晩訪問するのも気の毒〜こんな晩には寄席へでも行くの他はない」「今日の寄席がとかく不振の状態にあるのは、その内容いかんよりも、映画その他の娯楽機関が増加したのと、交通機関が発達したためである」「実際、明治時代の一夜を楽しむには、寄席へでも行くの他はなかったのである」2023/08/26
でろり~ん
1
令和の東京で江戸の風景を偲ぶ場所なんてありゃしないですからね。この著者の記述から想像するばかりですかねえ。 なんか不思議に説得力のある文体なんですよねえ。2023/05/20