出版社内容情報
独裁者たちは、どのように大衆を踊らせ抑圧して行ったのか? その手法を「デザイン」の観点から見直す現代必読の書、待望の文庫化。
内容説明
「『権力を握る』ことは、蜜の味である。それをめざす人間はあとを絶たない」いま私たちに必要なのは、「独裁者」により巧妙に張り巡らされた罠を見極め、物事の「本質」を見抜く眼を養うことだ!「独裁者」たちはプロパガンダを駆使して、どのようにして大衆を踊らせ、抑圧していったのか?その手法を「デザイン」の観点から分析した、現代を生き抜くための必読書、待望の文庫化!
目次
1 呪力のある視線
2 燃える視線
3 拒否する視線
4 遠望する視線
5 反復する視線
6 記憶する視線
著者等紹介
松田行正[マツダユキマサ]
1948年静岡県生まれ。中央大学法学部卒業。グラフィック・デザイナー。デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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妙な…本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん
11
歴史の本を探しているときに、思わず手に取ってしまった。「デザイン」からみた独裁者の手法。今まで考えたことがない観点だったので、興味深く読めた。2024/06/22
Ex libris 毒餃子
11
スターリンのデザインのみ民衆からの支持を仰ぐデザインではないのが際立つ。革命の正統性の支持を仰ぐデザインである。他の3人は権力の正統性を自らに依る性質になるようにデザイン設計をしている。2022/07/24
よしじ乃輔
10
独裁者の視線にスポットを当てプロパガンダに写真、ポスター、イラストをどう活用したかを解説。ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東の4人を取り上げているが、視覚効果を意図的に使ったヒトラー(と側近達)よ、という感じ。デザイン(主導者のカラー)から見る歴史という観点が面白い。2024/09/14
ののまる
7
側面がヒトラーとスターリンで、読んでいる間、二人の眼力がー2023/05/03
fritzng4
4
図版が沢山あるのがありがたい。ひとえに独裁者と言ってもヒトラー&ムッソリーニとスターリン&毛沢東には大きな違いがあるが、四人それぞれポスターに自らの顔を印象的に描かせ撮らせ、自身を偶像崇拝させた。その恥じらいのなさには気が滅入る。ただそれでも前者二人の明確なデザイン戦略にはやはり感心してしまう部分がある。これを読むと『ウィズ・ザ・ビートルズ』のジャケットで有名なドイツ生まれの写真家アストリッド・キルヒャーは、間違いなく幼少期にナチスのデザインに影響を受けていたのだろうと感じる。装丁が素晴らしい文庫本だ。2025/01/30