出版社内容情報
東京藝大で指揮者修行に奮闘するイワキとナオズミ。師と出逢い、ケンカと失恋を越え、演奏会の日がやって来た!傑作藝大青春記。
内容説明
オーケストラを指揮したい!東京藝大で指揮者修業に奮闘するイワキとナオズミ。師と出逢い、カラヤンやマルティノンの指揮をモグリで観、学生オケで練習を重ね、ケンカと失恋を越えて、いよいよ「森の歌」演奏会の日がやって来た!日本を代表する名指揮者にして名エッセイストが綴る、涙と笑いの傑作音楽青春記。
目次
前奏曲
調子はずれの木琴
原宿参り
「学響」のとき
酔っ払った用心棒
恋の涙
無銭旅行
幻想と歓喜
森の歌
著者等紹介
岩城宏之[イワキヒロユキ]
1932年東京生まれ。東京藝術大学在学中にNHK交響楽団副指揮者となり、56年デビュー。以降、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、メルボルン交響楽団など世界の主要オーケストラを指揮。一方、日本初の常設室内管弦楽団オーケストラ・アンサンブル金沢の設立、日本人作曲家作品の積極的な初演など、日本クラシック界の発展に尽くした。中島健蔵音楽賞、サントリー音楽賞、朝日賞、紫綬褒章など受賞多数。エッセイストとしても活躍し、『フィルハーモニーの風景』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。2006年逝去。07年岩城宏之音楽賞が創設された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみや
49
やはり青春記ってこうでなくっちゃ。そのシュトルム・ウント・ドランクは傍目で見れば、迷惑千万な馬鹿騒ぎであり、抑制を失った自意識の過剰な演出に見える。しかし青春の只中にいる当人は、動揺する自意識と曖昧な社会的立場の狭間で、むしろ辛く苦しく憂鬱な気分に沈むことが多いと思われる。だからこそ「馬鹿」も「失恋」もたっぷり経験することに意味がある。嵐に翻弄されながら1つのことにのめり込むことこそ、正に“青春”の特権なのだから。そしてその船出にあたりナオズミのような友人がいればこれ以上の僥倖はないと言えるのではないか。2022/06/12
しのさー
13
何かの本で著者を知り、クラッシックは詳しくないけど面白そうだったので 昔だから許された…ようなハチャメチャなことがたくさん書かれていた 充実した濃い日々楽しそうだった 出てくる人をウィキペディアで見て、あの曲を作った人!とか発見もあった 他の著書も読んでみたい2025/01/26
ムーミン2号
12
もとは1987年に出版されたものだが、今回で3社目の出版となる。そのくらい面白いエッセイだということだろう。指揮者・岩城さんのこのエッセイ集は読み始めたら面白くて止まらない。一方で講談社文庫で解説を書かれた林光さんが指摘されるように、音楽やあるいはその場の様子、情景などを文章で表現するチカラはスゴイ。それだけに、ハチャメチャな青春時代が疾走感Maxで描かれていて爽快でもあり、印象深くもある。いくつかのエピソードは決して忘れられそうもない。難しい音楽理論はゼロなので、誰でも読める点もスゴイ。2022/02/16
マダムぷるる
10
青春記らしい青春記。笑えるけど、バンカラだけどやる気に満ちてなんでも怖いもの知らずに突き進む姿、羨ましくもありました。子どもの頃、毎週楽しみにしていたオーケストラがやってきたの山本直純先生とコーヒーのCMの岩城宏之先生。それを取り巻く渡邉暁雄先生を始めとする天才たちが闊歩する上野の森をイメージして楽しい読書タイムでした。類は友を呼ぶっていう言葉をずっと思っていました。山本直純の指揮、もう一度みたいなあ2022/07/04
CCC
9
時代を感じた。青春小説に近い自伝だが、笑える話ばかり選んでいて、界隈の内情が少し見える部分はあったものの、踏み込んだ話はあまりなかった。おおらかな昭和イメージに沿ったエピソードが並んでいて、最後までそこから外れなかった。2024/10/14
-
- 電子書籍
- 隣人の扉 2