出版社内容情報
1月から12月まで月ごとの楽しみ方を記した『時刻表2万キロ』『最長片道切符の旅』に続く刊行の、鉄道旅のバイブル。(新装版)
内容説明
車窓の風景は四季折々に装いを変えていく。春先や紅葉シーズンだけではなく、いつ旅に出ても、その時々にしか出会えない景色が車窓から広がる。雪景色を掻き分けていく冬もよし、旅行者が忌み嫌う梅雨だって悪くない。一月から十二月までその月ごとの旅の楽しみ方を記し、『時刻表2万キロ』『最長片道切符の旅』に続けて刊行された、汽車旅のバイブル。
目次
序章 遊びとしての汽車旅
1月 汽車旅出初式
2月 特急「出雲」と松葉ガニ
3月 新幹線16号車16B席と祖谷渓
4月 寝台電車と高千穂橋梁
5月 食堂車の怪と無人終着駅
6月 水蒸気と陸中鵜ノ巣断崖
7月 みどりの窓口とサロベツ原野
8月 循環急行と只見線全通の日
9月 夏の終りとSL列車「やまぐち」号
10月 紅葉団体列車と石北トンネル
11月 上越線と陰陽の境
12月 京都の漬物と九州の老人列車
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年、埼玉県生まれ。東京大学西洋史学科卒業後、中央公論社に入社。出版部長、「中央公論」編集長等を経て、1978年に退社。同年に国鉄全線乗車記『時刻表2万キロ』を刊行し、日本ノンフィクション賞を受賞。2003年2月26日病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
8
単行本79年刊、新装版21年12月刊。宮脇氏3作目の待望の復刊です。季節ごとに変わる鉄道旅行の楽しみを歳事記形式で語ったエッセイ。ほかの本のような時系列的紀行と違い、さまざまな年代の旅が流れるように綴られるところが新鮮で、1作目『時刻表2万キロ』や2作目『最長片道切符の旅』のサイドストーリー的な挿話があるのも嬉しい。単行本収録時の書き下ろしという12月の章はとりわけ印象的です。それにしても各地のローカル線も食堂車も夜行列車も全国で健在であったというのは40数年の時の流れを感じます。2021/12/17
あかつや
6
月ごとに違う顔を見せる国鉄時代の鉄道旅行。筆者にとって鉄道はただ移動するためのものではなく旅の目的そのもの。だから普通の人が思う旅の目的地というのはこの人にとってはせいぜい折り返しの電車の接続地点でしかなく、とにかく目一杯旅程に鉄道での移動を詰め込んでいる。そんな旅なので基本は一人旅なんだけど、たまには道連れがいたりして、そういう時に物事の認識のズレが明確になる。社会性のないタイプのオタクではないので、もてなしの気持ちで緩い旅程を立てて観光に付き合ったりもするけど、それでも居心地が悪そうなのが面白い。2022/12/02
よし
2
1979出版であるため、時代を感じる内容になっている。缶詰の缶の字が罐になっていたり…。内容もインターネットのない鉄道好きの趣味として、すれ違う電車が何かを事前に時刻表で予測し実際にすれ違うか確認したり、停車している車両1両ずつの車両型式を確認したりと、日本人の繊細さと集中した時の底知れぬパワーを感じた。楽しみは探せばいくらでも見つけることが出来ると思い直すことができた。2024/03/30
mio
2
丸1年かけて味わうように読んだ。鉄道旅は旅情があって大好き、長ければ長いほど良い。鉄道開通150年を目前にして読み終えたのも何かの縁なのかもしれない。2022/10/11
おかリン
1
そうです。鳴門わかめ うまいんですp57 2024/08/25