出版社内容情報
日本中を震撼させたあの事件から50年。現場から実況中継した著者による、息詰まる日々と事件の全貌をメディアの視点で描く増補版。
内容説明
あのとき、何があったのか。一九七二年二月二十八日。銃を持った連合赤軍の五名が長野県南軽井沢の浅間山荘に押し入り、管理人の妻を人質に立てこもってから十日目、ついに強行突入の日が来た…。日本テレビのアナウンサーとして中継現場から実況放送をした著者が、膨大な再取材で当時の事実を明らかにし、日本中を震撼させた事件の全容を詳述する。
著者等紹介
久能靖[クノウヤスシ]
1936年生まれ。東京大学卒業。日本テレビのアナウンサーとしてニュース部門を担当。東大闘争、成田闘争、浅間山荘事件、日中国交回復などを実況中継。1972年、報道部記者に転じ、警視庁、労働省、自民党、国会などを担当。現在、皇室ジャーナリストとして活躍している。日本テレビの番組「皇室日記」では長年キャスターを務めてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinupon
32
この事件は鮮明に覚えています。テレビにかじりついてみました。しかしこの事件の後のリンチ事件の方がより残忍さが強かったことを覚えています。2022/04/30
バズリクソンズ
23
これはノンフィクション作品群の中で歴代最高と称したい作品!あさま山荘事件を連合赤軍か警察側から書かれた著書ではなく、当時実況で現場に居た報道側の立場から書かれた作品ゆえに全ての事件関係者に依存する事無く中立で書かれている作品。だからこそ赤軍、警察、人質だった牟田婦人の声が疑う余地のない真実として心に響いて来る!結果あさま山荘事件の後に発覚するリンチ大量殺人事件の方に薄められてしまうが、当時の解決に向ける熱意が50年経った今でも目前に迫るような大傑作で、特に出所後の赤軍メンバー二人のインタビューは必読!2022/06/26
キクマル
12
今迄、連合赤軍や浅間山荘事件を題材にした書籍、映画、テレビ番組等を数多く読んだり観てきたりしたが、今回の本は感じた事が無いくらい臨場感に溢れている内容だった。だが自分には幾ら考えても連合赤軍の考え方は理解できない。また当時、浅間山荘に人質にされた女性が救出された後、マスコミの報道を真に受けた人間から誹謗中傷を散々受けた事については、今の時代と同じで誹謗中傷をする人間に対して怒りしか感じない!2022/04/20
ゆき
5
多くの犠牲者を出したこの事件を新たな視点から知ることができた。赤軍のテロリストたちの引き起こした全ての事件はどれも許し難い。ただしかし、事件の経過や犯人たちの動きだけではなく過熱しすぎたメディアの報道や人質だった女性の発言を曲解した国民たちの誹謗中傷があったことも詳細に書かれており、昨今も問題になっているような事柄に対しては情けない気持ちになった。凶悪なテロ事件も、よくある言葉の暴力で人を追いこむことのどちらも間違った正義を振りかざして引き起こされたものだというのは皮肉なことだと思う。2021/08/11
しんさん
4
連合赤軍×警察×報道合戦→視聴率89.7%。桐野夏生の「夜の谷を行く」きっかけで関連本を読み始めたが、オウムと同じ荒唐無稽みと狂気を感じる2024/01/21