出版社内容情報
応仁の乱より50年程早く戦国時代に突入した東国を舞台に、戦乱を中世の「戦争」としてとらえ、軍事の視点で戦国武将の実情に迫る。
内容説明
文明八年の長尾景春の乱から、天正十八年の小田原の役までの東国戦国史を10のエピソードで俯瞰する。登場するのは一般向けの本ではあまり扱われてこなかった、マイナーな武将たちだ。彼らの動きを追う中で、あまり注目されてこなかった東国戦国史の綾や陰影に満ちたドラマを浮彫にしていく。「軍事史的」観点から読み解いた東国戦国史入門の決定版!!
目次
第1章 長尾景春と太田道潅―「作戦」の時代をもたらした二人の天才
第2章 伊勢宗瑞と北条氏綱―国を盗む、国を創る
第3章 武田信虎の甲斐統一戦―名門守護家から戦国大名へ
第4章 長尾為景の下剋上―権力簒奪の甘い罠
第5章 河越夜戦―北条氏康、勝機に賭ける
第6章 山本菅助の虚実―傭兵たちの墓碑銘
第7章 越山―孤高の軍神、関東平野に立つ
第8章 永禄十二年の武田軍関東侵攻―もっとも戦国的な戦い
第9章 武田勝頼の苦闘―宿命を背負った武田家最後の当主
第10章 小田原の役―「戦争マシン」たちの終着駅
著者等紹介
西股総生[ニシマタフサオ]
1961年生まれ。学習院大学大学院博士前期課程修了(史学専攻)。豊富な城郭踏査経験をもち、軍事史視点から戦国合戦を鋭く分析する。大河ドラマ『真田丸』で戦国軍事考証を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しかおおう
1
応仁の乱以降の関東ではどのような覇権争いがあったのか。長尾、太田道灌、北条、上杉、武田、今川らが同盟したり裏切ったり、必死に生き残りをかけて争っていたことが時代の流れとともによくわかる。 川中島の戦いが繰り返されたことは知っていても、それがなぜどのような理由で、というのは知らなかった。越後から繰り返し関東に攻めていた上杉(長尾)にも理由があったと。 北条も、豊臣秀吉にさからっただけではなくまた、正当な理由と矜持があったんだな 戦乱の世、あちこちでこのような戦い、企みがあったんだろう。2021/04/01