出版社内容情報
白雪姫、ハーメルンの笛吹きなど誰もが知る世界の童話から生まれた傑作ミステリーアンソロジー。「怖さ」がにじむ8篇を収録。
内容説明
白雪姫、ハーメルンの笛吹き、みにくいアヒルの子…イソップ、グリムなど誰もが知っている世界の童話をもとに、仁木悦子、角田喜久雄、石川喬司、鮎川哲也、赤川次郎、小泉喜美子、結城昌治、加田伶太郎ら実力派作家が紡いだ、ミステリー短篇アンソロジー。昔ばなしの「怖さ」がにじみ出る傑作8篇を収録。
著者等紹介
仁木悦子[ニキエツコ]
1928~1986。『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞
角田喜久雄[ツノダキクオ]
1906~1994。「笛吹けば人が死ぬ」で日本探偵作家クラブ賞
石川喬司[イシカワタカシ]
1930~。『SFの時代』で日本推理作家協会賞
鮎川哲也[アユカワテツヤ]
1919~2002。『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞。2001年、本格ミステリ大賞特別賞
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948~。『東京零年』で吉川英治文学賞
小泉喜美子[コイズミキミコ]
1934~1985
結城昌治[ユウキショウジ]
1927~1996。『軍旗はためく下に』で直木賞
加田伶太郎[カダレイタロウ]
1918~1979。作家・福永武彦のペンネーム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
169
1989年刊行『メルヘン・ミステリー傑作選』の改題新装版。同時発売の【日本編】にはガッカリでしたが…こちらは面白かった!中でも印象的だったのは、アンデルセンの同名作品を意識した鮎川哲也さんの「絵のない絵本」…ユーモアさえ感じられる“ダークメルヘン”であり、因果応報を説くまさに現代版の“お伽噺”ですね!赤川次郎さんの「幽霊シリーズ」ものや角田喜久雄さん・加田伶太郎さんの作品は、ミステリーとして充分読み応えがありますし…仁木悦子さん・結城昌治さんのは読後感が切なすぎます(泣) 新保博久さんの解説も秀逸ですよ!2021/03/14
mae.dat
134
どのお話もちょっと荒削りな印象だなぁ。(´๑•_•๑)。ミステリーとしては、なんかちょっと惜しい気がするの。昔話をモチーフにした別のお話として読めば、楽しめるかな?素材は悪くない、もう少し調理すると良くなる気がするのね。気がするだけかな〜。2021/01/23
KAZOO
107
世界篇というのでグリムとかの話が出てくると思いきや日本人作家8人によるアンソロジーでした。とはいうものの結構楽しめました。角田喜久雄の「笛吹けば人が死ぬ」や赤川次郎、鮎川哲也、加田伶太郎(福永武彦)などは水準以上だという気がします。ただやはり30円近く前に出されたものなので若干古臭さは感じます。2021/06/09
geshi
32
『空色の魔女』少女の描いた絵から犯罪に繋がる視点が著者らしい。『笛吹けば人が死ぬ』ハーメルン笛吹きの男というより昭和探偵小説を感じさせる操り。『メルヘン街道』甘い話で終わりかその後があるのか。『絵のない絵本』メルヘンだから使えるネタをぶち込む遊び心満載。『青ひげよ、我に帰れ』切り替えやサスペンスの話づくりの上手さが光る。『遠い美しい声』全編に漂うディレッタントなオシャレ感。『みにくいアヒル』積み重なっていく追い込みが残酷でオチに救いがないなぁ。『赤い靴』正統派なだけに尻すぼみにも思えてしまう。2021/03/23
リッツ
27
世界の童話が共通のミステリーアンソロジー。ベテラン作家さんばかりで発表されたのもかなり昔のよう。時代背景がかなり懐かしくケータイスマホはもちろん出てこないし、BGって言葉ありましたね~、ビジネスガールの略ですよね?OL以前?そして25才ってそうそう結婚を急かされる歳でした。この時代のミステリーからヒントもらって描かれたんじゃないかな?という昔の漫画もいくつか思い当たってそちらでも懐かしい感じでした。2022/01/21