出版社内容情報
北斎生誕260年、映画化も。北斎の一生と画風の変遷を知る最良の一冊。古典的名著。謎の多い初期や、晩年の考察もていねいに。
内容説明
北斎には、今なお解明されない大きな謎がある。たんなる伝聞や、資料を伴わない疑わしい諸点を極力払いのけ、定説に異も唱え、事実に照らしてあらゆる細部を再検討し、不明や空白の謎を解明すべく、北斎像を新たに組み立てた。時代を超越した天才浮世絵師の真実に迫る、いまだに新しい決定版名著の待望の初文庫復刊。
目次
1 出生をめぐる謎
2 画家となるまで
3 自己脱皮
4 北斎出現
5 全盛期の北斎
6 初老の苦悩
7 自然と人間
8 晩年の流浪
9 北斎の生活
10 北斎の芸術
著者等紹介
瀬木慎一[セギシンイチ]
1931年、東京生まれ。美術評論家。中央大学法学部卒。国際美術評論家連盟会長、国際浮世絵学会理事などを歴任。2011年逝去。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イッセイ
3
約40年前の本を文庫化したもの。「あれは違う」「これは検証不足」と一刀両断しているところもあるが、著者の北斎にかける思いは強い。「あの息苦しい封建社会の末期にあって、北斎のような巨大な複合的個性が生まれ、育ち、強力に創造したことこそが重要」というあとがきの文章に、その思いを感じた。2023/10/01
Yasuyuki Kobayashi
1
信州上田の北向観音の絵馬に北斎作が 発見されたという記述は、大いなる発見 であった。また、小布施の岩松院天井画は 北斎作というよりも、高井鴻山との合作か ほとんどの部分は高井鴻山作ではないか? という検証も新たな考察である。2020/09/24