出版社内容情報
妊活、健診、保育園落選……赤ん坊が1歳になるまでの親と子の驚きの毎日。あの話題の出産・子育てエッセイが、ついに文庫化!
内容説明
「自然分娩をしてこそ、母親?」「子どもは“自分の時間”を奪う?」「夫は妻のサポート役?」…37歳で第一子を産んだ人気作家が、“母”というイメージの重圧を捨てて、“親”になって、日々を眺めてみると!?妊活、健診、保育園落選など、赤ん坊が1歳になるまでの様々な驚きを綴り、大反響を呼んだ出産・子育てエッセイ。
目次
人に会うとはどういうことか
同じ経験をしていない人とも喋りたい
社会を信じる
妊娠生活は大したことなかった
お産ではなく手術ということで
点数なんて失礼じゃないか
新生児
似ているところは探さない
一ヵ月の赤ん坊
眠り〔ほか〕
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年、福岡県生まれ。2004年、会社員をしながら書いた『人のセックスを笑うな』で第41回文藝賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rokoroko
21
男の人が母親をサポートするという事ではない両親の子育ての本。先日娘が体調崩したら娘の夫が弁当作り,ほいくえんの送り。芋ほりボランティアまでやってくれたと娘が言ってた「大事な会議があったのに悪いね」と娘が言うと『リモートで芋ほり中参加してた』だって。働き方も変化すれば、子育ても夫婦のありようも変化していく。著者のような考え方は当たり前になっているんだね。著者の話は面白いな2021/10/26
しまえ
13
「母ではなくて、親になる」タイトルの意味がよくわからなかったが、読んで納得。ナオコーラさんの赤ん坊に対する愛情、夫に対する信頼、社会に対する思いがぎゅっと詰まったエッセイだ。言いたいことは力強く、ただし同時にこのエッセイを読むことで傷つく親、子がいないようにと、とても配慮された文章だった。人が生きやすくなる社会の実現はまだ途上だ。完成されることもないだろう。社会に届かなくてもいいから、ただ私のこのどこにも行き場のない思いを家で聞いてくれる人がいる。それだけで今は満足。私も母ではなくて親になりたいと思った。2020/11/15
スウ
8
辛かった不妊治療のことはサラッと流し、誕生から1歳までひたすら可愛らしい赤ちゃんのことを書いている育児エッセイ。とはいえ仕事への思いや社会問題に関する記述のほうが多い。少子化を女性の責任に転化する風潮(女性の選択の問題ではなく、経済の問題だ、とか)や、炎上した人工透析に関する意見について考えるものなど。「かわいそうな人を助けるのではなく、どんな人でも困っている人を助ける」「努力できるかできないか、といった問題が、個人のみに起因して起こっているかどうかも疑問だ。」などに共感。2020/08/15
えむぴち
6
読みはじめ「性別とか意識し過ぎやろ、えらいしつこいな」と思った。「子供の性別や、夫婦の役割とか、肩に力入りすぎやな」と思っていたが、中盤の「フェミニンな男性を肯定したい」あたりで僕の誤解だったことに気が付いた。女性が性別についての平等を言及するには、たくさんの壁やフィルターがあるのだな。男なら「性別なんかどうでもいい」という一言で伝わるが、女性から発されるとなぜか刺々しくなる。僕は「男女の性別なんて関係ない」と思っていたはずなのに、ナオコーラの性別に対する考えを理解するのにずいぶん時間が掛かってしまった。2021/05/26
平坂裕子
6
誰だって、いろいろなことをやりながら、自分の道を歩いている。 頑ななまでに、正直なナオコーラさん、あっちにぶつかりこっちにぶっかりながらも我が道を一歩一歩進む姿に、なんだか泣けてきた 書店勤めの旦那さんもいいなぁー 赤ん坊との日々も愛情溢れる様子が胸に染み入るようであった。 待望の次の赤ん坊も生まれて、益々楽しく毎日過ごしてあるだろうな!2020/04/17