出版社内容情報
鉄路のその先、ひなびた究極の秘境へ、バスに揺られてロマンの旅。じょっかいどうから沖縄まで、地図を片手に最果てへ。
内容説明
ローカル鉄道の終着駅で引き返すとき、まだ見ぬその先をたずねて行くバスを指をくわえて眺めていた。いよいよ奥の奥まで分け入ろう。鄙びた田舎へ、過疎の村へ、深山幽谷、究極の僻地へ…。何もないところには何もない良さがあるのだ。北海道から沖縄まで、二十三のバスの終点へ。一杯二杯、風情の旅。
目次
北海道(川白(古宇郡神恵内村)
北二号(野付郡別海町) ほか)
東北・関東(九艘泊(青森県下北郡脇野沢村)
湯ノ岱(秋田県北秋田郡森吉町) ほか)
中部(室谷(新潟県東蒲原郡上川村)
飯尾(山梨県北都留郡上野原町) ほか)
近畿・中国・四国(大杉(三重県多気郡宮川村)
田歌(京都府北桑田郡美山町) ほか)
九州・沖縄(中山(宮崎県東臼杵郡南郷村)
野間池(鹿児島県川辺郡笠沙町) ほか)
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年、埼玉県生まれ。東京大学西洋史学科卒業後、中央公論社に入社。出版部長、『中央公論』編集長等を経て、1978年に退社。同年に国鉄全線乗車記『時刻表2万キロ』を刊行し、日本ノンフィクション賞を受賞。2003年2月26日病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
32
この文庫本、私は乗りテツ稼業?のかたわら、新潮文庫版を入手して読んでいました。 今回、改めて河出書房の文庫本を購入したのは甥へのクリスマスプレゼント用です。 次男の方は割と鉄道に興味があるので、テツ本を贈るようにしています。 読者の感想等は新潮文庫版の記述がかなりありますのでそちらを参照にされた方が良いかと思います。 路線バスの改廃も激しいので、こういう本のアップデート版、どなたかに執筆してもらいたいものです。 著者の文庫本もほぼ全部、読んでいると思います。2024/12/20
ひねもすのたり
13
鉄道をテーマにした紀行文で知られる著者ですが、本書は路線バスの終着点にこだわった旅行記23篇を収めます。 いずれも観光地ではない地方の僻地ばかりで、時代はバブル前夜の昭和60年前後。 一日数本のバスで辿り着いた、鉄道のその先にある鄙びた風景を描写する著者の名調子に酔わされます。 『平凡と言ってしまえばたしかに平凡だが、じゃあこの平凡な集落風景にどこへ行けば出会えるかといえば、いまや、そう簡単ではない。この室谷集落も、やがては水没するのである』(新潟県東蒲原郡上川村・室谷)★4.5 ↓2023/05/02
アメヲトコ
12
北海道から沖縄まで、全国各地のできるだけ無名なバス路線の終点まで旅をするという紀行文。鉄道からバスに変わっても宮脇文体は健在で、さすがのセレクトという感じで旅に誘われます。本書のもとになった連載は昭和の末年で、鉄道よりもあっさりと廃止になりやすいというバスのことだから今やどれくらい残っているかと調べてみると、意外にもその多くが今も健在で、中にはさらに先まで路線が延びているようなところも。地域の足を守る努力の賜物でしょう。2019/09/23
MASA123
10
1989年に書かれた本の再発文庫本だ。濁河温泉は同じ時期にマイカーで訪れたことがある。標高1800メートルもあったのか、ロングな坂道と悪路に苦労したことを思い出した。鉄道旅とちがって、バス旅は書くことがないようで、旅館予約の電話対応が感じ悪かったとか、同行のカメラマンは雨男だとか、旅館の応対(訪ねて見ると、感じがよかったようだ)、バスの運転手との会話、町役場の観光課の談話、そういうのを宮脇さんの本から期待していないので、いまひとつでした。やはり鉄道ネタじゃないと、つまらない。2024/01/15
niz001
7
今回はバス。解説の「いつもと違う感じに注がれる、いつもの感じ」がすべてを物語る。僻地に等級があり、僻地手当なるものがあるのを初めて知る。2019/10/28
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