出版社内容情報
千年の時を超え、源義経が自らの物語を語り出す――古典『義経記』が超絶文体で現代に甦る、激烈に滑稽で悲痛な超娯楽大作小説。
町田 康[マチダ コウ]
著・文・その他
内容説明
はは、生まれた瞬間からの逃亡、流浪。千年の時を超え、私は、私の物語を、語ろうと思う―私の名は源義経。打倒平家を胸に、都会的なファッションに身を包み、早業を駆使。鞍馬での幼年期から奥州への旅、メンヘラ気味な最強の家臣弁慶との出会い、そして兄頼朝への思い…。古典『義経記』が超絶文体で現代に甦る!激烈に滑稽で悲痛な、超娯楽大作小説、ここに開幕。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年、大阪府生まれ。96年に初小説「くっすん大黒」を発表、翌年ドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞を受賞。2000年「きれぎれ」で芥川賞、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
427
明らかに未完である。続編はあるようだが、それならば本書も『義経記1』とすべきだっただろう。『義経記』を久しく読まないので原拠との異動は何とも言えないが、プロットの大筋は踏襲されているのではないか。しかし、かといって現代語訳というわけではない。それでは作家は、現代の文体で義経を今の世に再現することにどのような意味を求めたのだろう。私には単なるパロディ以上のものを見出すことができない。また、構成も周到な配慮がなされているようには思えない。もっとも、これは原典がそうであったからかも知れない。2021/10/24
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
173
みんな面白いって言うし町田さんだし、期待度MAXでうきうきしながら読み始めたのですよ。ところがどっこい。やばいーおもしろすぎてむっちゃ口調うつるー。電車の中でにまにまして変態と思われるー。 古典の文章とかって、こ難しく原典に忠実に訳すより、やっぱ大切なのはrhythmっすよね、こんな風に古典に触れ合えてたら、もっと歴史すきになってたかも…なぁんて真面目なことも考えてしまったのである。おほほ。である調。ドリンクバーも確定申告も秀衡ちゃんがつまらないものですが…って色々持ってくるとこも解説も好きすぎてやばいー2019/05/09
ケイ
153
なんや、生きとったんか思たわ。ちゃうんか。どこから話しとんねん。声だけかい。ま、鞍馬あたりに 今もおるんかもしれんな。兄に狙われ殺されたんは気の毒やけど そいつらも結局みんな死んでしもてるからな。キレイな顔して、このボン、ほんま、見てみたかったわ。解説で大塚ひかりが言うところの古典の絶対音感をもって町田康が義経に語らせる語らせる。言葉が悪すぎるって? 義経も京都の子やったんやから、そんなもんでっしゃろ。関東もんの語る言葉は 噺家の声で聞こえた。西の方のは町田さんの声でそのまま響く。続きも読まな、ね。2019/04/06
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
122
ちょっとなにこれ、面白すぎ!ホントの歴史物を追求しちゃう方からは「なんや、ふざけやがってー!」とお叱りを受けちゃいそうだけど、三谷幸喜の『清須会議』が好きな方ならきっとはまるはず。芥川賞作家でもある町田作品で、これがお初というのもどんなもんかと思うけど、その実力のほどを、是非他の作品でも試してみたいと思いました。もちろん『ギケイキ2』も😆2019/05/25
🅼🆈½ ユニス™
121
町田康さんの特有の香りが濃く漂う一冊。現代のヤンキー風に解釈して歴史の1ページを味わう美味しい時間でとても満足出来た。登場人物が複雑すぎて2度読みした経験も初めてで、お陰で100%理解出来て、兎に角面白く読み終えた。(読友である誰かさんの筆風を思い出しながら…😆)、ギケイキ2も追いかけるべし❗️2019/03/11