出版社内容情報
「クマのプーさん」「ピーターラビット」など、著者が世に送りだした永遠の文学作品をめぐって、活き活きと綴った随筆集。
石井 桃子[イシイ モモコ]
著・文・その他
内容説明
「雪やこんこん、ぽこぽん」と口ずさみながら不可思議な世界に入り込み、「プーの手にひかれて」子どもの本を翻訳・編集する仕事をはじめた石井桃子は、以後、ピーター・ラビット、ドリトル先生など、子どもの心を豊かにする多くの本を世に送り出した。「ちいさいおうち」のバートン、「マーティン・ピピン」のファージョンを訪ねる旅、海外の児童図書館見聞記など、その歩みを辿る随筆作品を収録。
目次
プーと私
A.A.ミルンの自伝を読む
「ピーター・ラビットの絵本」を訳して
ニア・ソーリーまいり
ビアトリクス・ポターの人と作品
みどりのサセックス
オーデンセゆき
美しい秋の一日
井伏さんとドリトル先生
「ドリトル先生」の作者ヒュー・ロフティングという人〔ほか〕
著者等紹介
石井桃子[イシイモモコ]
1907年、埼玉県浦和に生まれる。28年、日本女子大学校英文学部卒業後、出版に従事。戦後、宮城県鴬沢で農業・酪農を始める。その後、編集者、翻訳家、児童文学作家として活躍。58年、自宅の一室に子どもの図書室「かつら文庫」を開く(のちに公益財団法人東京子ども図書館へ発展)。2008年、101歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
55
英米翻訳家のエッセイらしいと思います。特にプーさんとの出会いは、私もこんな風に出会いたいと思わされるものでした。随筆というより雑記という雰囲気です。2020/12/27
らん
26
石井さんが翻訳された本、出会った人や旅で経験された事の雑記。プーとの出会いやプー語で手紙を書いていた話が微笑ましく、夢中で読んで訳されたプーさんとは対照的にピーターラビットの絵本の翻訳は満足されていないようでした。9年かけて納得できた「世界中の子供の興味は同じ」という事。「子供は結局いいものはわかるんです」という児童図書館員の信頼感も印象的。「いつまでも手さぐりであったろうことの先へ出るきっかけを与えてもらった」帰国して考え方生き方に違いをもたらしてくれるような外国旅行を出来るだけ経験したいと思いました。2023/04/22
ゆう
22
「その時、私の上に、あとにも先にも、味わったことのない、ふしぎなことがおこった。」クリスマスのプーとの出会い。「怖い本」という言葉が飛び出す、「ピーター・ラビット」。ここには石井桃子さんの2つの魅力がある。甘やかな魔法と、たくましく聡明な力強さと。それは繰り返し思い返される「ビリー」との日々と、アメリカでの児童文学者たちとの交流に重ね合わせることが出来るかもしれない。現実的な対応能力の高い、仕事のできる方だったのだと思う。でもそれだけではなかった。魔法に、かけられていたのだ。たぶん、ずっと。2019/09/30
TomohikoYoshida
7
石井桃子さんのプーとの出会い、ピーターラビットの翻訳の苦戦と、アメリカやヨーロッパの滞在記である。 ふりかえってみれば、幼稚園の時のクマのプーさん、小学校2年生の時にのホビットの冒険、それから3年生か4年生のときの水滸伝、これらの子供向け文学作品が今の自分のルーツになっている。2018/04/29
椿 釦
7
私は人間に高潔な魂なんて宿らないと信じて生きているのだけれど、この本には高潔な魂を持ち合わせた女性が何人も、出てくる。勿論、石井桃子氏もそう。時代背景や年月の記述で随分と古い本を読んでいるのだと、はた、と気付く。なんの違和感も古臭さもなく言葉や考え方が入ってくるのは、時代や時間に左右されるようなものを石井桃子が見ていないからだろう。子供の心に届くものを見つめていくという生き方について考えさせられた。嫌味を挟む余地もなくなんて高潔なんだろう、と。勿論、高潔だけで出来ていないのは承知しているけれど。2018/06/12
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