河出文庫<br> ヨーロッパの乳房 (新装版)

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河出文庫
ヨーロッパの乳房 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309415482
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

ボマルツォの怪物庭園、プラハの怪しい幻影、骸骨寺など、初めての欧州旅行で収穫したエッセイ。没後30年を機に新装版で再登場。

内容説明

ボマルツォの怪物庭園、プラハの怪しい幻影、ノイシュヴァンシュタイン城、骸骨寺、パリの奇怪な偶像、イランのモスクなど、かねてから心惹かれ、著者の精神的な母胎であるヨーロッパへ初めて旅行した時に収穫したエッセイ。フランス、スペイン、イタリアなどの数ヶ月の滞在は、視る喜びと味わう楽しみに満ちたものだった。当時のみずみずしい印象を中心に編まれた紀行エッセイ。

目次

1(バロック抄 ボマルツォ紀行;昔と今のプラハ;マジョーレ湖の姉妹;狂王の城;バーゼル日記 ほか)
2(幻想美術とは何か;シンメトリーの画家谷川晃一のために;紋章について;日時計について;洞窟について ほか)

著者等紹介

澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928‐1987年。本名・龍雄。東京都芝区高輪車町生まれ。東京府立第五中学校から旧制浦和高校理科甲類に進学。戦後1948年、東京大学文学部フランス文学科に入学、関心はシュルレアリスムからサドへ。1953年卒業の翌年、コクトー『大胯びらき』の翻訳を上梓。1960年、警視庁保安課は澁澤訳『悪徳の栄え』を発禁処分、最高検察庁は猥褻罪で澁澤・石井両氏を起訴、サド裁判始まる。1969年、有罪確定。1970年、初めてのヨーロッパ旅行。1987年8月5日、頸動脈破裂で死去。主要な著作『唐草物語』(泉鏡花賞)『高丘親王航海記』(読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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里愛乍

33
所謂紀行文。自身がヨーロッパで過ごした日々の様子をなんとも楽しげに描いている。その場での陽射しや空気感まで伝わってくるような活き活きとした情景は、これまで読んできたような禍々しさ?は微塵も無く、これが素の彼なんだろうと思う。後半はいつもの?澁澤龍彦といった感じで特に処女崇拝と自分の死は苦笑混じりでかつ楽しんで読んだ。いや実に面白い。ここまで徹底していると新鮮みすら感じる。2018/04/20

belle

6
読み始めて字が小さいなあと思ったが、澁澤龍彦のヨーロッパが詰まっている。多田智満子の解説がまた良い。2017/09/30

misui

3
紀行文とエッセイ。特に紀行文は澁澤の文章の中でも特に面白いものではないかと思う。「ヘラクレスの睾丸のように張り切っているな!」2023/11/05

よいおいこらしょ

2
ヨーロッパ紀行文。現在、ノイシュヴァンシュタイン城といえば、ディズニーランドのシンデレラ城のモデルで有名であるから高尚なイメージを持たれがちだが、本書では「狂王の城」と一刀両断されていたのが面白かった。後半は澁澤龍彦の強記ぶりが見られるエッセイであり、読み応えのあるものばかりだった。「オカルティズムについて」と「私の処女崇拝」が良かった2021/02/09

じゅん

1
ヨーロッパと中東旅行に関する前半のエッセーでは有名どころについての言及もあるものの、どちらかといえばマニアックな場所に触れられている部分が多いのが、澁澤龍彦らしい。特にイタリアのマジョーレ湖に浮かぶ4つの島に関してはたびたび文中に出てきており、かなりお気に入りだったことがうかがわれる。将来イタリアかスイスに行くことがあったら是非行ってみたいものだ。後半のサロンやら処女性やら錬金術やらについても独特の世界観が面白い。性差についてはタブー視されがちな現代だからこそ、著者の見識がより輝いて見える。2018/10/25

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