河出文庫
若冲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 182p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309414898
  • NDC分類 721.4
  • Cコード C0170

出版社内容情報

生誕100年を迎え、いまもっとも注目著しい画家の魅力を探る。辻惟雄、芳賀徹、種村季弘、澤田ふじ子、安岡章太郎など豪華執筆陣。

澁澤 龍彦[シブサワ タツヒコ]
1928-87年。東京生まれ。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた。

内容説明

綺想の画家、日本最高のマニエリストとして再評価著しい伊藤若冲の魅力をさまざまな角度から掘り下げる。鶏や梅、貝やかえるなど、いろいろな動植物、「もの」を先入観にとらわれずに自分の眼で描き、ユニークな羅漢石仏を刻んだ市井の隠哲を味わい尽くす生誕三百年記念企画。森銑三から安岡章太郎、辻惟雄、澁澤龍彦、芳賀徹、坂崎乙郎、種村季弘…へ。

目次

若冲小録(森銑三)
相國寺と伊藤若冲―導いてのち救われて(辻惟雄)
伊藤若冲(梅原猛)
若冲羅漢抄―洛南石峰寺所見(吉井勇)
日本の装飾主義とマニエリスム(澁澤龍彦)
伊藤若冲―物好きの集合論(種村季弘)
物について―日本美的再発見(安岡章太郎)
伊藤若冲(坂崎乙郎)
異郷の日本美術―オクラホマの若冲(芳賀徹)
若冲絶讃―「若冲」を蒐集するあるアメリカ人(千澤〓(てい)治)
若冲灯籠(澤田ふじ子)
伊藤若冲の夢を孕む“物たち”の世界(由良君美)
博物誌としての花鳥画―伊藤若冲の針穴写真機(種村季弘)
若冲―謎の画人(瀬木慎一)
若冲とサボテン(瀬川弥太郎)
竜華寺のサボテン―絵とそのモデルについて(蔵原惟人)
若冲展墓(林哲夫)

著者等紹介

澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928‐1987。フランス文学者、評論家、小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

102
[若冲×澁澤龍彦]で売ろうという河出書房新社の戦略はバレバレですが、充実の執筆陣で内容は盛り沢山、興味深く読みました。残念ながら澁澤龍彦の文章はチョッピシです。圧巻は、種村季弘の「伊藤若冲-物好きの集合論-」で大若冲を幼児性性格者だと言い切るところが見事です。ただ若冲初心者の私には、半分も理解出来ませんでした(苦笑)2016/12/20

keroppi

86
若冲に関する論考やエッセイや小説が集められている。様々なアプローチがあるが、若冲の作品に会いにアメリカのオクラホマを訪れたり、サボテンを描いた日本人は若冲が最初だと論じたり、謎多き若冲だからこそ、色々と探究してみたくなるのだろう。唯一の小説が澤田ふじ子「若冲灯籠」。「石灯籠図屏風」にまつわる悲劇を描く。あらためて絵を見ると、また違って見えてくる。2023/08/07

HANA

64
京都で若冲展を見に行く道すがら読んだので、実にタイムリー。内容は若冲に対する評論や随筆のアンソロジー。個人の想いを綴ったものから西洋美術との対比等、各著者の特質が現れた面白い本だと思った。ただ若冲本人の生涯やマニエリスムとの関連等が中心となっており、実際の絵画に対する記述は少な目な為、絵に興味を持つ者にとってはいささか隔靴掻痒に感じる部分があるかもしれない。個人的にはあまり知らなかった若冲本人のエピソードが盛り込まれていた為、その部分は面白く読めたけど。しかし実際の物を前にすると、ただただ圧倒されるなあ。2016/11/29

ホークス

28
伊藤若冲についての評論十六篇と小説一篇。自分にはかなり難しい内容で、掴んだかと思うとまた分からなくなる。由良君美氏の「リアリズムが己れの視点に徹底するときに自然に産みだす幻想性」と言う言葉がしっくり来た。世の中のフィルターを排除して、とことん対象に入り込んだ結果、超越的な世界に至る。その際立って鮮やかな幻想世界を、我々は作品を通して垣間見る感じではないか。若冲の美しさは分かりやすく、しかし改めて見ると何も分かっていない気持ちになる。だから何度でも見たくなる。2017/05/26

ぶんぶん

22
【図書館】若冲に関して、個々が色々な注釈を述べている。 自身の事に集中していて絵画には言及していない感じがする。 特に、文学者の意見が見当違いの感が有り、飛ばし読みをする事が多かった。 中で、澤田ふじ子の「若冲灯籠」の小説が、一番しっくりきた。2025/05/27

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