出版社内容情報
『宿直草』『奇談雑史』など、江戸期の珍しい文献から、怪談、奇談を収集、現代語に訳してお届けする、怖い話の集成。
【著者紹介】
怪奇文学・伝承文学・近現代文学研究者。相模女子大名誉教授。著書・編著に『怪談実話集』『新編百物語』『戦前のこわい話』『江戸の都市伝説』など。
内容説明
日本各地に残る、むかしの怖い話の宝庫集。幽霊、化け物、祟り、あやかし…心底怖い怪異譚を、江戸時代を中心にたくさんの珍しい文献から収集し、亡き妻の怪・怨霊の祟りの怪・二口女の怪・荒れ屋敷の怪、の四部構成で読みやすくまとめる。怪奇アンソロジストの第一人者による、血も凍る不思議世界への誘い。
目次
第1部 亡き妻の怪など(怨霊となった女房;妻と先妻の亡霊との相撲 ほか)
第2部 怨霊の祟りの怪など(幽霊の願い;僧の死霊 ほか)
第3部 二口女の怪など(化け物の師匠;二口女 ほか)
第4部 荒れ屋敷の怪など(利休の幽霊;髑髏の復讐 ほか)
著者等紹介
志村有弘[シムラクニヒロ]
伝承文学・近現代文学研究者。相模女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あたびー
28
#日本怪奇幻想読者クラブ 時代は様々な書物から筆者が選りすぐった怪異な話を亡き妻もの、怨霊、化け物、お化け屋敷などざっくりカテゴライズして提示してある。一話一話が短くておもしろいので、ナイトキャップに最適だった。ハーン「ムジナ」や落語「もう半分」の源泉となる話もあった。日本の化け物屋敷は「稲生物怪録」みたいに魔が強い武士に感服仕っちゃうのが多くておもしろい。これも武士の強がりなのだろう。2020/09/01
花林糖
18
日本の夏は、やっぱり怪談〈其の一・和編〉鎌倉~江戸時代の怪談集。「亡き妻の怪など/怨霊の祟りの怪など/二口女の怪など/あれ屋敷の怪など」蛇が関係する話は読んでいてとてもゾワゾワしました、、、。亡き妻の怪はあっても亡き夫の怪はないのかと思いました。2019/08/09
misui
6
一番最初から自分の地元の知らない話で驚いてしまった。それはそれとして、後妻打ちみたいな女性の恨みつらみの話が本当に多くてなかなか忍耐を試される。蛇も多い。「舞首」「大蛇となった娘」「班女塚」あたりの定番が好み。「古い墓石を磨く怪」は普通に江戸のお騒がせ事件だな。2022/07/24
竜王五代の人
5
怪談話の集成。一応、四つのテーマに分けられているけど、あんまり纏まった感じがしない。文章も含め、ちょっとおちる感あり。妾と本妻が、前妻と後妻がと争う話に、害意が夫に向かわないのはスッキリしないものがある。「辻堂の化け物」武田家滅亡で、主人の妻子を守って避難するところが化け物に二人を殺される話、面倒なのを始末したのを誤魔化しているのでは疑惑(とはいえ、化け物にむざむざやられました、というのも武士として不名誉な気も)2024/09/05
刳森伸一
5
鎌倉時代から江戸時代にかけて書かれた怪談を多数収録。こういう怪談には安心の面白さがあると思うが、特に、恨みも何にもないのに関わらずただ漠然と夫を喰う「夫を喰う女」が猛烈に怖く、印象に残った。2015/03/28
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