出版社内容情報
戦前、川上哲治と巨人入団、闘魂あふれるプレーでスタルヒンや沢村をリードした、ナイスガイ吉原。その短くも鮮烈豪快な野球人生。
【著者紹介】
1964年生まれ、スポーツ、ノンフィクションライター。『巨人軍最強の捕手』で、第14回ミズノスポーツライター優秀賞受賞。
内容説明
名門・熊本工業で川上哲治とバッテリーを組み、連続準優勝で甲子園を湧かせ、鳴り物入りで巨人軍入りした、“赤づら万平”こと吉原正喜。スタルヒンの豪球にとまどうも、持ち前の敢闘精神で克服、つねに全力でボールを追い、かっ飛ばし、疾駆して戦時下のスタンドに勇気の灯をともした炎の背番号27、その熱血と悲劇の生涯。
目次
川上哲治との出会い
甲子園で大活躍
巨人軍からの誘い
川上とともに巨人軍へ
スタルヒンの剛球
血染めの捕球
豪快な遊び人
観客を喜ばせる「意外性の男」
巨人が年度優勝
高峰三枝子への片想い
沢村英治が戻ってきた!
満州リーグでMVP
最後の野球シーズン
兵営の吉原上等兵
悲劇のインパール
吉原が遺していったもの
著者等紹介
澤宮優[サワミヤユウ]
1964年、熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。スポーツから文学まで幅広く執筆。『巨人軍最強の捕手』で戦前の巨人軍の名捕手吉原正喜の生涯を描き、第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんさね
12
プロ野球創成期の話は興味あり、様々読みましたが、吉原選手のみのノンフィクションは初めて。印象に残るプロ生活も去る事ながら、戦争でその生涯を閉じる過程が痛々しい。帰って来れなかった多くの選手共々、その足跡を忘れず、今のプロ野球を楽しみます。2014/09/03
スプリント
5
本書ではじめて吉原選手のことを知りました。戦争さえなければ・・・インパールに出征していなかったら・・・残念でなりません。2014/09/20
電羊齋
4
巨人軍の扇の要として川上、スタルヒン、沢村をリードした伝説の捕手吉原正喜。その闘志、誰からも愛された天真爛漫で豪快な性格、走攻守三拍子揃ったプレーにはただただ感服。また、彼は珍しい俊足捕手でもあり、1940年には一シーズンで30盗塁を決めている。彼が戦争を生き延びていれば、あるいは捕手というポジションのイメージが全く変わっていたかもしれないと感じた。2015/02/11
コダマ
4
戦時中スタルヒンや沢村栄治のボールを受けていた吉原正喜という人のお話。 ライバルとしての川上哲治さんの視点とよき友人としての千葉茂さんの思い出から描かれる闘志と魅力あふれるキャッチャーの短かかった人生の話。2014/11/04
kikizo
4
伝説の捕手、吉原正喜を題材にしたノンフィクション。彼の性格がよく分かる。戦火に散った名選手たちをこれからも発掘して欲しい。景浦将や中河 美芳なんかの話も読みたいな。2014/06/13