出版社内容情報
少し頼りない父、大らかな母、鬱陶しいけど2人のことが好きな娘と、その同級生が繰り広げる日常。伝説のラジオドラマ、初の書籍化!
【著者紹介】
夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。
内容説明
平田家の三人―頼りないけど憎めない父、のんきでおおらかな母、両親を鬱陶しく思いながらも本当は好きな娘のなにげない日常。そこへ家出してきた娘の同級生も加わり!?TOKYO FM系列にて放送されていた伝説のラジオドラマに木皿泉が書き下ろした家族ものシリーズ全十一話と、オマケの前口上&文庫あとがきを収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
44
あの名作「すいか」の前に書かれたラジオドラマの脚本集。フツーの家族のおかしくも哀しい日常を切り取る。主人公の小吉さんとほぼ同世代なので、笑いは些か自虐的です笑。亡き兄の大吉さんやヒマワリを買うきっかけのイガグリ君など、日常の生活のどこかでふと喪失感が浮かび上がるのが、木皿さんの作風というか、スタイル。きっと1.17の阪神淡路大震災の経験が根っこにあるんだろうなあ。今年でもう22年です。2017/01/22
野のこ
29
人の家庭はミステリアスなもの。木皿さんの天然記念物ホームドラマ、にやにやしながら読みました。愛すべき平田家~ごたごたしてるけどとっても楽しそう。なんだかんだ家族っていいな♪って思えてきました。タンポポのお花見素敵。妻 小麦の若いころのエピソードがすごい。何気にいちばん強烈な人物かも。父 小吉は完璧、西村雅彦さんイメージ。なごみ系。歩ちゃんとコンドーくんの船場のシーンはじわ~と良かったです。2人に期待です。2017/09/19
miyu
17
やっぱり昔から木皿泉は面白い。面白くてやがてホロっとして。最後はニコニコしたりする。この家族にコンドー君が絡むことで、さらに面白い。なんなの、こういう普通の生活や人生を意味のあるものに変えてしまう魔法みたいな彼らって。読んでよかった。2014/05/05
瀧ながれ
15
以前、仕事中にラジオをかけていると、夕方に西村雅彦さんの声が聴こえてきて、短いラジオドラマが始まって、いい感じの音楽で終わって、こらえられずに吹き出したり、ほろりときた涙をこっそり拭いたりしたよなあ、と懐かしく思いました。平田夫妻と15歳の娘と、途中から娘の同級生の男の子が下宿して笑ったりケンカしたり。木皿泉ですから、いいドラマです♪2013/12/15
はな*
14
ラジオドラマのシナリオ集。全11話の小さなエピソード一つひとつが可愛らしい。very木皿泉さんだなぁと思っていたら、本作品が初めて書いたドラマと あとがきに記されていました。「すいか」や「野ブタ。をプロデュース」へと続くデビュー作に出会えたことはファンとしてはとても嬉しいこと。そして、もう一つ嬉しかったのは、解説が高山なおみさんだったこと。高山さんの家族のお話も素敵でした。2015/10/30