出版社内容情報
実家暮らしOL基子、エロ漫画家の絆、信念を曲げない大学教授の夏子と大家のゆかのひと夏。10年後を描いたオマケ付。解説松田青子
【著者紹介】
夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。
内容説明
34歳、独身、実家暮らしの信金OL・基子、双子の姉を亡くしたエロ漫画家の絆、曲げない信念ゆえに恐れられ、だけど慕われる大学教授の夏子、幼い頃母が男と出て行った大家のゆかちゃん。4人が一緒に暮らした、なんてことないけれどかけがえのないひと夏。10年後のハピネス三茶を描いた、書き下ろしのオマケも収録!
著者等紹介
山田あかね[ヤマダアカネ]
東京都出身。テレビ制作会社でディレクターをつとめた後、小説、シナリオを書き始める。95年「終わりのいろいろなかたち」で文學界新人賞佳作。03年『ベイビーシャワー』で小学館文庫小説賞受賞。10年「すべては海になる」で初の映画監督。ドラマ演出・脚本、漫画原作など幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
83
今回は出演してた人を確認してから読んだので、その役者さんのイメージで。シンギングドッグの話と、木星の話が良かったなあ。地球は木星に守られていたんだね。ありがとう。一人で生きるシンギングドッグが、寂しくて仲間に自分の居場所を教えるために「ウォーン」と鳴く。気持ちわかるよね。普段は一人でも構わないけど、時々誰かに「ここにいるよ!」って、わかって欲しい時って、あるよね。だからハピネス三茶に集う人たちの関係って、ほんとに憧れだよなあ。最後、ちょっと泣けてきた😢2021/07/18
みつ
65
2003年放映のTVドラマの後半(10年後を描くオマケ付き)。賑々しくも緩やかな日常にも、後半では病と死が忍び寄る。その中で、果肉ごとゴミに捨てたすいかの種から芽が出てくるのは、繰り返しの中で新たな生が繋がる象徴のようにも見える。いまだ逃亡中の馬場チャンが「ハピネス三茶」を訪問した時(皆、留守)食卓の各人の食器にそれぞれ梅干しの種が残っているのを見て「生活するって、そういうことなんだなって、そう思ったら、泣けてきた」と言う科白に万感の思いがこもる。このかけがえのない日々の中で、基子の「煮詰まる」➡️2023/05/08
ミエル
58
「お墓って終わりじゃないんだ-始まりなんだ」この一文で目が覚めた。人やモノの終わりを考える機会が増え、必ず湿っぽい嫌な気分になっていたのを見事に払拭してくれた。読後感は感謝(驚)といったところかも。救われた気分。2016/09/18
アマニョッキ
51
もう本当に完璧なドラマ脚本。好きすぎる。10年後のおまけもすごくよかった。決めた、すいか貯金しよう。そしてDVD-box買うのだ。2019/05/24
チアモン
49
ドラマで描かれていなかった10年後のみんなのことも書いておりシナリオ本ということで、ちょっと読みにくかったが、読み終えた。ハピネス三茶。このようなところがあったら私も通ってみたい。ドラマがやっぱり気になるなぁ。今度、借りて見てみようかな。2018/07/08